このページでは中学3年生で学習する「仕事」「仕事率」を中学生向けに解説します。
急いでいる人のために、仕事の公式を先に解説しておくね。
仕事【J】= 力の大きさ【N】 × 力の向きに移動した距離【m】
仕事率【W】 = 仕事【J】 ÷ 仕事にかかった時間【s】
だよ。
「仕事」難しくて苦手なんだよね…。
このページで詳しく解説していくから、心配しないでね。
それでは仕事の解説スタート!
仕事
それでは解説を始めるよ。まずは「仕事とは何か」を学習していこう。
日常会話で「仕事」というと
- 教員
- お医者さん
- 運転手さん
など、職業のことをイメージするよね。
うんうん。
だけど理科で言う「仕事」は職業とはまったく違う意味をもつんだ。
理科では「物体に力を加えて、その力の向きに物体を動かしたとき、力が物体に対して仕事をした」というんだよ。
ポイント
理科では「物体に力を加えて、その力の向きに物体を動かしたとき、力が物体に対して仕事をした」という。
また、仕事の量を求める公式は
仕事【J】= 力の大きさ【N】 × 力の向きに移動した距離【m】
で表すことができるんだ。
何だか難しい…。
そうだね。例題を出しながら考えていこう。
仕事の計算問題
例題1 30の力を加え、力の向きに物体を2m動かしたときの仕事はいくらか?
このときの仕事を考えてみよう。
仕事を求める公式は
仕事【J】= 力の大きさ【N】 × 力の向きに移動した距離【m】
だったね。
このとき、加えた力は30N。力の向きに移動した距離は30mだね。計算すると
30× 2=60
となるね。つまり例題1でした仕事は60【J】となるんだ。
かけ算をするだけだね。意外と簡単!
そうだね。
仕事の単位は【J】という単位を使うよ、2年生で学習した、熱量や電力量と同じ単位だね。
【J】という単位まで、必ず覚えておこう!
例題2 質量6kgの物体を3m持ち上げたときの仕事はいくらか。
上の図の仕事を求めてみよう。仕事を求める公式は
仕事【J】= 力の大きさ【N】 × 力の向きに移動した距離【m】
だったね。
あれ、力の大きさが問題に書いていないよ?
いいところに気がついたね。この問題は力の大きさが書いていなくても答えられるんだ。
なぜなら「100gの物体の質量にかかる重力は1N」というの1年生で学習したよね。覚えているかな?
100gの質量は1Nとして考える。これは必ず覚えておこうね。
さて、もう一度問題を見てみよう。
図の物体は6kgだね。6kgは6000gだから、力になおすと60Nだね。
- 100g → 1N
- 1000g → 10N
- 6000g → 60N
つまりこの問題は、60Nの力で3m持ち上げた。と考えることができるね!
あとは公式に当てはめるだけだよ!
60× 3=180
答えは180Jだね!
質量が書いてあるときは、力になおして考えるんだね!
うん。忘れないでね!
例題3 1kgの荷物をじっともつときの仕事はいくらか。
このようなひっかけ問題はよく出題されるから覚えておこう。
これは、荷物をじっと持っているだけだね。つまり、荷物は動いていない。(移動距離0m)式にすると
10 × 0 = 0
となり仕事は0J。全く仕事をしていないことになるんだね。
荷物を持つと、疲れそうなのに…。
そうだね。どんなに力を入れても、物体が力の向きに動かなければ仕事をしていないんだね!
同じように、下の図のような場合も、仕事は0Jになるから確認しておこう。
仕事率とは
続いては仕事率について考えていこう。
仕事率の考え方は簡単だよ。「仕事をかかった秒数で割るだけ」だね。
仕事率【W】 = 仕事【J】 ÷ 仕事にかかった時間【s】
仕事率の単位は【W】だよ。これは2年生で学習した「電力」と同じ単位だね!
また、「仕事のかかった時間」は「s(秒)」ということも覚えておこう!
仕事率の練習問題
では練習問題を解きながら仕事率の理解を深めていこう。
例題1 下の図の仕事をしたときの仕事率を求めよ。
仕事率を求めるには、まず仕事を求めないといけないね。
3kgの質量は力になおすと30N。つまり
30 × 2 = 60
となり仕事は60Jだね。
さらに仕事率を求めよう。60Jの仕事をするのに、10秒の時間がかかっているね。
仕事率を求めるには、仕事をかかった秒数で割ればいいから
60 ÷ 10 = 6
となり、6Wが答えだね。
例題2 下の図の仕事をしたときの仕事率を求めよ。
例題1と全く同じように解くことができるよ。
まずは仕事を求めよう。。
3kgの質量は力になおすと30N。つまり
30 × 3 = 90
となり仕事は90Jだね。
さらに仕事率を求めよう。90Jの仕事をするのに、20秒の時間がかかっているね。
仕事率を求めるには、仕事をかかった秒数で割ればいいから
90 ÷ 20 = 4.5
となり、4.5Wが答えだね。
仕事の能率
仕事率のW数が多いほど、仕事の能率が良いと言えるんだ。
先ほどの例題1と2を比べれてみよう。
例題1の仕事率は6W。例題2の仕事は4.5Wだったね。
仕事率の数字が例題1の方が大きいから、仕事の能率は例題1の方が良いと言えるんだね。
仕事が大きければ、仕事率も大きいとは限らないないことに注意しよう!
まとめ
これで「仕事」と「仕事率」についての解説を終わるよ。
仕事【J】= 力の大きさ【N】 × 力の向きに移動した距離【m】
仕事率【W】 = 仕事【J】 ÷ 仕事にかかった時間【s】
この2つの公式を、しっかりと覚えておこう。
「仕事の原理」に関して詳しく学習したい人は、次のページを見てみてね!
それではみんな、またねー!
ばいばいー!
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