このページは中学3年生で学習する「エネルギー保存の法則」「いろいろなエネルギー」の学習ページです。
- いろいろなエネルギーを知りたい
- エネルギー保存の法則を知りたい
- 力学的エネルギー保存の法則との違いは何?
という人は、この記事を読めばバッチリです!
よろしくお願いします!
うん。よろしくね!
それでは「いろいろなエネルギー」「エネルギー保存の法則」の解説スタートです!
【中学理科】いろいろなエネルギーの種類
それでは「いろいろなエネルギー」について解説していくよ。
先生!「エネルギー」って何ですか?
難しい言い方をすると「物体に対して仕事をすることができる能力」のことだよ。
物体に対して仕事…?
うん。理科の言葉で仕事とは「物体に力を加え、その力の向きに動かすこと」だったね。
だけど、もっと簡単なイメージをもっていたほうがわかりやすいよ。
「エネルギー」とは
- 物を動かしたり
- 光を出したり
- 熱を出したり
- 音を出す
ことができるものを「エネルギーをもっている」とイメージしておけばバッチリだよ!
エネルギーといっても、いろいろな種類があるんだね。
そういうこと。それではいろいろな種類のエネルギーを1つずつ確認していこう。
ここでは
- 光エネルギー
- 音エネルギー
- 熱エネルギー
- 電気エネルギー
- 化学エネルギー
- 弾性エネルギー
- 核エネルギー
- 運動エネルギー
- 位置エネルギー
の9つを紹介するよ。
光エネルギー
光がもつエネルギーを「光エネルギー」というよ。
光は車を動かしたりもできる。エネルギーをもっているんだね!
音エネルギー
音がもつエネルギーを「音エネルギー」というよ。
大きな音を出すと、窓ガラスが揺れたり、体に振動が伝わることがあるね。
音も物体を動かす力があるんだね!
熱エネルギー
熱がもつエネルギーを「熱エネルギー」というよ。
たとえば蒸気機関車は、発生した熱を利用して水蒸気を発生させ、その圧力を利用して走るんだよ。
このように、熱もエネルギーをもっているんだね。
電気エネルギー
電気がもつエネルギーを「電気エネルギー」というよ。
上の写真のようなミニ四駆は、電池の力でモーターを回して走るね。
このように電気にも、物体を動かすエネルギーがあるんだね!
化学エネルギー
化学変化によって取り出すことができるエネルギーを「化学エネルギー」というよ。
例えば車にガソリンを入れれば、そのガソリンを化学反応させて走ることができるよね。
石油や石炭はたくさんの化学エネルギーをもっているんだね!
そうだね。ちなみに人間も、食べ物の化学エネルギーを利用して動いているんだよ。
弾性エネルギー
バネやゴムなど、変形した物体がもつエネルギーを「弾性エネルギー」というよ。
上の写真のようなおもちゃは「ぜんまい」という金属の板をねじを巻くことで押し縮め、その力を利用して走るよ。
核エネルギー
原子核がもち、核分裂などの反応で取り出すことができるエネルギーを「核エネルギー」というよ。
特に上の図の写真のような原子力発電でよく利用されるんだ。
原子力発電の原料は「ウラン」だね!
核エネルギーは非常にたくさんのエネルギーを得ることができるよ。
運動エネルギー
運動している物体がもつエネルギーを「運動エネルギー」というよ。
運動エネルギーは
- 物体の速度が大きいほど大きくなる
- 物体の質量が大きいほど大きくなる
んだよ。詳しくはこちらの記事も見てみてね!
位置エネルギー
高い位置にある物体がもつエネルギーを「位置エネルギー」というよ。
位置エネルギーは
- 物体の位置が高いほど大きくなる
- 物体の質量が大きいほど大きくなる
んだよ。詳しくはこちらの記事を見てみてね。
また「運動エネルギー」と「位置エネルギー」を足したものを「力学的エネルギー」というよ。
大切な言葉なので必ず押さえておこう。
ここで紹介した9つが、中学生の理科で学習する重要なエネルギーだよ。
いろいろなエネルギーがあるんだね!
いろいろなエネルギーの移り変わりとその例
続いては「いろいろなエネルギーの移り変わり」について学習しよう。
エネルギーの移り変わり?
うん。上で解説したエネルギーは、さまざまなエネルギーに変化するんだよ。
代表的なものを例として挙げていくね。
LED電球 | 電気エネルギー → 光エネルギー |
ガソリン車 | 化学エネルギー → 運動エネルギー |
アイロン | 電気エネルギー → 熱エネルギー |
原子力発電 | 核エネルギー → 電気エネルギー |
水の蒸発〜雲 | 熱エネルギー → 位置エネルギー |
ばねで動くおもちゃ | 弾性エネルギー → 運動エネルギー |
このようなものが代表的なエネルギーの移り変わりだね。
エネルギーは次々に移り変わっていくんだね。
そうだね。とても面白いね!
電気エネルギーは「溜められる」「遠くに送ることができる」「量の調節がしやすい」など使い勝手が良いエネルギー。だから現代の人間は電気エネルギーをよく利用するんだよ。
地球上のエネルギーの大元は、太陽のエネルギーなんだ。太陽のエネルギーを元に、植物が光合成をしたり、地球が温まったり、天候が変化したりするんだね。
最後にエネルギーの移り変わりを表した図を紹介するね。
テストにもよく出るから、確認しておいてね!
最後に、エネルギーの変換をまとめた図を挙げておくね。
やっぱり電気エネルギーは便利だね!
エネルギー保存の法則とは
続いては「エネルギー保存の法則」について紹介するよ。
エネルギー保存の法則?
うん。先ほどエネルギーの移り変わりの話をしたよね。
エネルギーが移り変わっても、エネルギーの総量は変化せず、一定に保たれるんだ。これを「エネルギー保存の法則」というんだよ。
- エネルギー保存の法則
- エネルギーが移り変わっても、エネルギーの総量は変化せず、一定に保たれること
何だか難しい…。
言葉にすると難しいね。図を用いて説明するよ。
この図を見てごらん。
100Jの電気エネルギーを、電球で光エネルギーに変換しているね。
だけど光エネルギーは10Jで、90Jは熱エネルギーに変換されているね。
そうだね。昔の白熱電球は、電気エネルギーのほとんどが熱エネルギーになってしまい、電気エネルギーを効率よく光エネルギーに変えることができなかったんだね。
だけど、光エネルギーと熱エネルギーの合計は100Jのままだね。
エネルギーの変化前と変化後では、どちらも合計は100Jで変化していないね!
エネルギーの総量は変化しない。これがエネルギー保存の法則なんだね!
うん。そういうこと!
エネルギーの変換効率
先ほどの白熱電球は、100Jの電気エネルギーを光エネルギーに10Jしか変換できなかったね。
電球は明かりをつける目的のものだから、目的の10%しか光エネルギーに変換できていないね。
90%は熱エネルギーに変わってしまい、無駄が多いね。
このように、元のエネルギーから目的のエネルギーに変換できる割合を、エネルギーの変換効率。
というんだね。
現在では多くが白熱電球からLEDライトに変わっているね。LEDライトの変換効率を図で見てみよう。
今度は目的の光エネルギーに50%も変換できているね。つまり、白熱電球よりもLED電球のほうがエネルギーの変換効率がいいんだね。
変化後のエネルギーの総量は100Jで、エネルギーは保存されているね!
エネルギー保存の法則と力学的エネルギー保存の法則の違い
最後にエネルギー保存の法則と、力学的エネルギー保存の法則の違いを解説するね。
一言でいうと力学的エネルギー保存の法則は「摩擦や空気抵抗を無視できると考えた時になりたつエネルギー保存の法則」のことなんだ。
摩擦や空気抵抗を無視したときになりたつ?
うん。「力学的エネルギー保存の法則」でよくある実験を見てみよう。
摩擦や空気抵抗が無視できるときは、Aから転がった鉄球は、Aと同じ高さのEまで上がるんだ。
同じように下の図では
Bから転がった鉄球は、Bと同じ高さのDまで上がるんだよ。
摩擦と空気抵抗が無視できる場合は、同じ高さまで上がるんだね。
うん。「位置エネルギー→運動エネルギー→位置エネルギー」とエネルギーが移り変わるんだね。
だけど
はじめと同じ高さまで上がるのは、摩擦や空気抵抗を無視した場合だけだよ。
つまり現実の世界では、摩擦や空気抵抗があるため、同じ高さまでは上がらないんだ。
なぜ同じ高さに上がらないか。それは、はじめの位置エネルギーが、摩擦や空気抵抗の影響で、音エネルギーや熱エネルギーに変化してしまうからなんだ。
力学的エネルギー保存の法則(摩擦や空気抵抗を無視できる場合)
位置エネルギー100J → 運動エネルギー100J
エネルギー保存の法則(摩擦や空気抵抗を無視しない場合)
位置エネルギー100J → 運動エネルギー90J+熱エネルギー5J+音エネルギー5J
このようなイメージだね。
現実世界では、摩擦や空気抵抗があるから、力学的エネルギー保存の法則は成り立たないんだね。
そういうことだね。だけど力学的エネルギー保存の法則も、エネルギーを理解するには便利な考え方なんだね。
まとめ
摩擦や空気抵抗が無視できる→力学的エネルギー保存の法則
摩擦や空気抵抗を無視しない→エネルギー保存の法則
これでいろいろなエネルギーの解説を終わるよ。
エネルギーの種類や、エネルギーの変換効率・エネルギー保存の法則についてしっかりと確認しておいてね!
またねー!
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