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【中学理科】仕事の原理とは何か?詳しく解説!

仕事の原理

このページでは中学3年生で学習する「仕事の原理」について詳しく解説をしていきます。

  • 定滑車・動滑車
  • 斜面をつかった仕事
  • てこ

について知りたい人は、このページを読めばバッチリだよ!

ねこ吉

よろしくお願いします!

うん。よろしくね!

自己紹介

さわにい」といいます。元中学理科の教員

現在は毎月30万人が利用する理科サイトの運営者です。

登録者8.5万の教育YouTuberでもあります。

現在、期間限定でLINEで無料質問会やってます!

それでは「仕事の原理」の解説スタート!

タップできる目次

仕事の原理とは

まずは「仕事の原理」とは何かについて説明するね。

「道具を利用しても、物体を持ち上げるための仕事の量は変わらない」これを仕事の原理というんだよ。

仕事の原理とは
「道具を利用しても、物体を持ち上げるための仕事の量は変わらない」こと
斜面を利用した仕事

仕事の原理の例として挙げられる道具には

  • 滑車かっしゃ
  • 斜面
  • てこ

などがあるよ。それぞれ詳しく解説をしていくね!

滑車を利用した仕事

まずは滑車を利用した仕事について考えていこう。

ねこ吉

仕事って…何だっけ?

仕事とは

物体に力を加えて、その力の向きに物体を動かしたとき、「仕事をした」と言えるんだね。

仕事を求める公式は

仕事【J】= 力の大きさ【N】 ×  力の向きに移動した距離【m】

だね。仕事について確認したい人はこちらの記事も読んでみてね!

では、滑車を利用した仕事について考えていこう。滑車には

  • 定滑車ていかっしゃ
  • 動滑車どうかっしゃ
定滑車
動滑車

の2つの使い方があるんだよ。それぞれ特徴を見ていこう。

定滑車とは

まずは「定滑車」という使い方を見ていこう。

ねこ吉

定滑車…?

うん。定滑車の「定」は「固定」という意味だよ。

つまり、天井などに固定して使う滑車を「定滑車」というんだね。

定滑車は固定されている

ポイント

固定してある滑車を「定滑車」という。

固定してあるので、人間が手を離しても滑車は落ちない。

ねこ吉

定滑車を使うと、どんな便利なことがあるの?

定滑車には、力の向きを変えるはたらきがあるんだよ!

下の図を見てみよう。

普通1000gの荷物を持ち上げるには、上向きに10Nの力で引っ張らないといけないね。

(質量100gの物体にはたらく重力は1Nだから)

10Nで上に引くと

だけど定滑車を利用すると、横や下に力を加えて、物体を上に持ち上げることができるようになるんだ。

10Nで横に引くと

横に力を加えて、物体を上に持ち上げているね。

ねこ吉

これが定滑車か…。でも、便利なの?

ちょっと昔の話だけど、最も身近に定滑車が利用されていた例は井戸だね。

井戸

地下から水をくむのに、上に持ち上げるのは大変だけど、定滑車を使えばひもを下に引っ張ることで、バケツを上に持ち上げることができるね。

このように、定滑車で力の向きを変えることで、楽に作業をすることができるんだね。

注意事項

定滑車は「力の向きを変える」だけなので、持ち上げるのに必要な力を少なくしたり、引くひもの長さが変化するわけではないから注意しよう!

定滑車のしくみ

動画で確認してみよう。

30cmおもりを持ち上げるには、30cmひもを引かなければならないよ!

ねこ吉

持ち上げる分、ひもを引かないといけないんだね!

まとめ

定滑車 → 固定されている滑車。動かない。

力の向きを変える。ただそれだけの道具。

1m物体を持ち上げるためには1mひもを引く。
持ち上げるのに必要な力も変わらない。

動滑車とは

続いては動滑車について確認をしていこう。

動滑車は、固定されていない、動く滑車だよ!

動滑車のしくみ

動滑車は定滑車とは全く異なる特徴を持つよ。

まず、動滑車は物体を上に持ち上げるとき、ひもを上に引っ張らないといけないんだ。

ねこ吉

つまりどう滑車には、力の向きを変えるはたらきはないんだね。

うん。そういうことだね。その代わり、動滑車には、次の2つのはたらきがあるんだ。

動滑車のはたらき①

物体を持ち上げるのに必要な力を半分にする。

動滑車には「物体を持ち上げるのに必要な力を半分にする」はたらきがあるよ。

ねこ吉

どうしてそんなことができるの?

図をよく見てごらん。

荷物を支えるのに、2本のひもで支えているね。

このため、自分が引く力は半分でいいんだね!

必要な力は半分
ねこ吉

必要な力が半分になるなんて、動滑車すごすぎ!

本当だね。だけど動滑車にも欠点があるんだ。それは、力が半分になるかわりに、動かす距離は2倍になる。

ということなんだ。

ポイント

動滑車は、物体を動かす2倍の長さ、ひもを引っ張らなければならない。

動滑車はひもを引く長さが2倍

動画でも確認してみよう。

ねこ吉

おもりを持ち上げる2倍、手を動かしているね!

そうなんだ。

一度まとめよう。

動滑車

物体を持ち上げるのに必要な力は半分になる

物体を持ち上げるのに必要な距離は2倍になる。

このようになるんだね。

滑車と仕事の原理

では、滑車を使った場合と使わない場合での仕事を比較してみよう。

それぞれ、1000gのおもりを3m持ち上げるときの仕事を比較してみよう。

ねこ吉

質量1000gは、力になおすと10Nだったね!

普通にもちあげたときの仕事
定滑車を使ったときの仕事
動滑車を使ったときの仕事

滑車を使わずに持ち上げたときの仕事→ 10N×3m60J

定滑車を使って持ち上げたときの仕事→ 10N×3m60J

動滑車を使って持ち上げたときの仕事→ 5N×6m60J

となったね。

定滑車は力の向きを変えるだけの道具だから、仕事の大きさは変わらないのは当然だけど、動滑車を使っても、仕事の合計は変化しないね。

ねこ吉

力が半分になっても、ひもを引く距離が2倍になってしまうからだね!

うん。そういうこと。

このように、道具を利用しても、仕事の量は変化しないんだ。これを「仕事の原理」というんだよ。

仕事の原理
道具を利用して仕事をしても、仕事の量は変化しないということ。

とても大切な考え方だから、必ず覚えておこう。

例えば動滑車を複数使って、物体を動かすのに必要な力を「1/3」「1/4」としても、引く距離が3倍、4倍…。となってしまうんだね。

では続いて、斜面を利用した仕事について考えていこう。

斜面を利用した仕事

続いては、斜面を利用した仕事について考えていこう。

斜面を利用した場合も、仕事の原理の考え方は利用できるんだよ。

斜面を使った仕事

斜面を使った場合と、使わなかった場合で、6000g(力になおすと60N)の物体を持ち上げる仕事の量を比較してみよう。

斜面を使わない場合

斜面を使わない場合

斜面を使わずに、2mの高さまで持ち上げるときの仕事を考えよう。

仕事【J】= 力の大きさ【N】 ×  力の向きに移動した距離【m】

で求めることができるね。

60Nの力で2m持ち上げているから、このときにした仕事は

60×2=120Jだね!

ねこ吉

うんうん。

続いて斜面を利用した場合も考えてみよう。

斜面を利用した仕事

斜面を使っているから、持ち上げるのに必要な力は少し減っているね。

半分の30Nの力で持ち上げることができるよ。

一方で、2mの高さまで持ち上げるには、4mも引かなければいかないね。

ねこ吉

仕事は、力×「力の向きに動かした距離」だもんね!

つまり、このときにした仕事は

30×4=120Jだね。

これは、斜面を使わない場合と仕事の量は変わらないね!

滑車と同じように、斜面を利用した場合も「仕事の原理」の考え方を利用することができるんだね。

ねこ吉

斜面を利用しても、持ち上げるのに必要な仕事の量は変わらない!

おまけ1

斜面の角度を緩やかにするほど、必要な力は少なくなり、持ち上げるのに必要な距離は長くなるんだよ!

おまけ2

摩擦がある斜面の場合は仕事の原理は当てはまらないよ。

だけど、摩擦も合わせた力の計算は高校生の範囲だから心配しないでね!

てこを利用した仕事

最後にてこを利用した仕事を考えていこう。

下の図を見てみよう。

4kgの物体を50cm持ち上げているよ。

てこを利用した仕事

仮にてこを利用しないとすると、仕事は

40N×0.5m=20J

だね。

ねこ吉

うんうん。

では図のように、てこを利用して仕事をしてみよう。

今回のようなてこを利用すると、必要な力の大きさは半分になるよ。

だけど、動かさないといけない距離は2倍になり、1mとなったね。

このときの仕事を計算すると

20N×1m=20J

となるね。つまり、てこを利用してもしなくても、仕事の量は変化しないんだね。

ねこ吉

てこでも仕事の原理はの考え方は利用できるんだね!

まとめ

これで「仕事の原理」の解説を終わるよ。

  • 滑車
  • 斜面
  • てこ

についてしっかりと確認をしておこう!

さわにいは、登録者8.5万人の教育YouTuberです。

中学の成績を上げたい人は、ぜひYouTubeも見てみてね!

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この記事を書いた人

教育フリーランスです。
専門は理科教育学。
所持教員免許は中学と高校の理科。 

さまざまな出版社の理科教材や解説を作成してます。
著書
『さわにい の中学理科電気分野が3日でわかる本』
『「中学の理科」が一冊でまるごとわかる』
ツイッターでは理科のポイントや勉強の仕方、さわにいの考えを発信しています。

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コメント

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