このページでは
- 電圧の単位
- 電圧計の使い方
- 電圧のイメージ
- 直列回路と並列回路の電圧
を学ぶことができるよ!
また、このページは中2理科の電気の単元の3ページ目なんだ。
全てのページを読むと電気の学習が完璧になるよ。
ぜひチャレンジしてみてね!
みなさんこんにちは、このサイトを作っている
このページの内容は私が書いた下の本でも学習することができます。
電気分野の苦手を無くしたい方は、よろしければ使ってみてくださいね!
また、電気分野を動画で学習したい方は、以下の動画からも学習できます!
それでは電圧の学習スタート!
電圧の単位
では「電圧の単位」の学習から始めるよ。
単位はとても簡単で、「数字の後につけるもの」のことだよ。
例えば
- お金の単位は? → 円(日本では)
- 長さの単位は? → mm cm m km など
- 時間の単位は? → 秒 分 時間 日 年 など。
- 温度の単位は? → ℃ など
- 質量の単位は? → mg g kg など
- 面積の単位は? → cm2 m2 など
- 電流の単位は? → A mA など
こんな感じだね!
前のページから学習してきた人はもう大丈夫だね!
それでは、電圧の単位の学習を始めよう!
電圧の単位は「V」と書いて、「ボルト」と読むんだよ!
だからテストで、「電圧の大きさはいくつか」と聞かれたら
絶対に「○○V」と答えなければいけないんだね。
電圧の問題が出た場合は、数字のあとに「V」をつけるんだね。
うん。そういうこと。
(前のページで勉強した電流の単位の「A」と絶対に混ぜないでね!)
電圧計のつかいかた
さて、次は「電圧計」の使い方の勉強だよ。
電圧計の使い方は、前のページで学んだ電流計とは違うの?
1番の違いは接続の仕方なんだ。
だから電流計と混ざらないようにしっかりと学習してね。
電圧計のつなぎ方
まずは回路図で確認していくよ。電圧計を回路図で書くと
そして「電圧計は回路に並列につなぐ」
という決まりがあるよ。(電流計は回路に直列につないだね。)
「並列につなぐ」って何だっけ?
「並列」とは、「分かれ道ができるように」だね。
回路図で書きながら確認しよう。
この回路の電球にかかる電圧を調べたいとするよ。
この場合、電圧計は、下の図1のように接続するんだ。
図1
どうかな?並列(分かれ道ができるよう)に接続されているね。
電圧計はこのように接続するんだ。
もちろん、下の図2、図3も図1と同じ回路になるからOKだよ。
図2
「回路のコツ」で学習したように図1、2、3はまったく同じ回路だからどれも正解なんだね。
そういうこと。
ここで1つコツを言うと、
電圧計は「並列につなぐ」と考えるだけでなく、
「調べたいところをはさむようにつなぐ」
と考えてもわかりやすいよ☆
こんな感じかな?
うん。はさむと考えてもわかりやすいね!
先生、導線を調べたければこれでいいんだよね?
それでいいけど、電圧計は電球や抵抗をはさまないと、調べる意味がないよ。
上のように導線だけをはさんでも、電圧計は「0V」で、調べる意味がないんだ。
「電圧計は導線だけでなく必ず何かをはさむ」これは覚えておこう!
それでは実物の電圧計の使い方をみていこう。
これが実物の電圧計だよ。中心に「V」と書いてあるね。
この電圧計を取り付けるには、まず、電池や電源装置の+側を、下図の赤丸の部分につなぐんだ。
実際につなぐとこんな感じだよ。
OK。+側は1番右の+端子に。そして分かれ道ができるようにつなぐんだね。
さて、電池のマイナス側は、電圧計のどこにつなげばいいんだろう?
電流計と同じで、つなぐ端子が3つあるね。
そうなんだ。
そしてこれも電流計と同じように、どこへつないでも大丈夫だよ。
(後で説明するけど、普通は300Vから接続するよ)
そして、「どこへつなぐかで調べられる電圧の最大量が変わるんだね。」
電圧計を上から見た写真を見てみよう。
左から「300V」「15V」「3V」となっているね。つまり黒の端子の
- 左につなぐと300Vまで
- 真ん中につなぐと15Vまで
- 右につなぐと3Vまで
調べることができるんだ。
ここでは、②の15Vの端子につないだ写真をのせておくね。
しっかりと+側は+端子、-側は-端子につないであるね。そして並列だからはさむように接続されているね。
電圧計の読み取り方
次に電圧計の目盛りの読み方を見てみよう。
-の端子は3つあるんだよね。
どの端子につないであるかで、読む目盛りが変わるんだよ。
①300Vの端子につないだ場合
上の図の青のライン
-1、0、1、2、3を読むようにするよ。
そして
-1→-100、 1→100、
2→200、3→300 と読むようにしよう。
この図では1と2の間、つまり「150Vの電圧がかかっている」と読み取ることができるね。
②15Vの端子につないだ場合
上の図の青のライン
-5、0、5、10、15を読むようにするよ。
5と10の間、つまり「7.5Vの電圧がかかっている」と読み取ることができるね。
③3Vの端子につないだ場合
上の図の青のライン
-1、0、1、2、3を読むようにするよ。
1と2の間、つまり「1.5Vの電圧がかかっている」と読み取ることができるね。
どの端子につないでいるかで、読み取る場所が変わるんだね。
そう。そして、同じ針の場所でも接続してある端子によってかかっている電圧の大きさが違うんだね。
最後に-の3つの端子の使う順番の説明だよ。
端子は必ず300Vの端子から使うようにしよう。
そして、目盛りが読みにくければ15V→3Vと端子を変えていこう。
電流計の時も説明したけれど、例えば10Vの電圧がかかっているところに3Vの端子を使ってしまうと、針が振り切れてこわれてしまう恐れがあるんだ。
だから必ず端子は300V→15V→3Vの順に使うようにしてね。
では、電圧計の使い方をまとめるね。
- 電圧計は並列につなぐ(はさむように)
- +端子には電池や電源の+側をつなぐ
- -端子は300Vからつなぐ
- つなぐ-端子によって、読む目盛りが変わる。
とても大切だからしっかりと覚えてね!
電圧のイメージ
さて、ここからが本番。電圧を詳しく説明していくよ。
まずは「電圧」のイメージをしっかりつくろう。
そして何度も繰り返すけど、「電流」と混ぜないことが大切だよ!
ねこ吉。「電圧」ってどんなものかわかる?
電流は電気の流れ。川のようなものだったよね。じゃあ電圧は…何だろう?
電圧はね、電気を押すポンプのようなものなんだ。
絵にするとこんな感じかな?
電池(電源)が電圧を発生させるよ。
そして、電池が電気を押すと、回路に電流となって流れる。という感じかな?
え?電池が電気を押して電流が流れてるの?オイラ、電池の中には電気がいっぱい入っているのかと思ってた…。
よくある間違いだね。電気のもとは導線の中に入っているよ。それを電池が押して電流が流れるイメージがいいね。
(つまり電池は、人の体の「心臓」みたいなものだね。心臓が電池。血の流れが電流)
では、回路図での電圧の考え方を説明していくよ。
(ここが1番大切だよ)
図1
図1のような回路があったとするね。ちょっと電池の位置を変えるよ。
図2
図2は図1とまったく同じ回路といえるね。
図2
この図2の回路をイメージ図で表してみよう。それが↓の図だよ。
ピンクの流れる液→電流
滝と水車→電球
電池→電圧 だよ。
前のページでは、ピンクの液体が電流で、これがグルグル流れているところまで学習したね。
うん。ピンクの流れているのが電流だよね。電圧は何なの?
回路のイメージ図では、電圧は「高さ」と考えるとわかりやすいんだ。
「電圧は電気を押す力」というのを説明したね。それを高さで表すんだ。
乾電池1つは1.5Vだから、
上の図のように高さが1.5V分上がる。というイメージでいいよ。
(回路図では、Vはm(メートル)のように考えていいんだ。)
先生、電球のところでは高さが下がっているね。
そうなんだ。電球や抵抗では必ず電圧の高さが下がるんだね。
今から回路での電圧の高さのルールを教えるね。
これに慣れればすべての問題の電圧がわかるようになるよ!
電圧がよくわかる4つのルール
- 電源(電池)
では電圧の高さが上がる。(必ず電源の+側が高くなる。) - 電球
と抵抗 では電圧の高さが下がる。 - 導線は高さが変化しない(長さに関係なく
- 回路を1周したとき、高さは「0」である。
この4つのルールを覚えてね!
うーん。読んだだけではよくわからないよ。
そうだね。例題を出しながら理解していくよ!
直列回路にかかる電圧
まずは直列回路(分かれ道がない回路)の説明だよ。
例1
電源の電圧は3Vだよ。さて、①にかかる電圧はいくつかな?
答えを先に言うと、3Vになるんだ。
だけどここでは、「なぜ3Vになるのか」が大切なんだ。答えがあっていた人も考え方を理解してね!
電池の手前をスタート地点に、回路を1周するよ。
まず電源が3Vだから、高さ3Vに上がるね。
そして、「ルール④回路を1周したとき、高さは「0」である。」
というのがあるから、「電球1個で何V下がれば1周したとき高さ0Vになるか?」と考えるんだ。
簡単だ!電池で3V上がったから、電球で3V下がれば1周したときに0Vになるよ。
その通り。だから電球にかかる電圧は3Vなんだね。
この考え方ができればすべての電圧の問題がわかるよ。
次の直列回路にいくよ。
例2
①の電球にかかる電圧は何Vかな?
答えは3Vだよ。
なぜ答えが3Vかわかるかな?
電池の手前をスタート地点に、回路を1周するよ。
まず電源が5Vだから、高さ5Vに上がるね。
次に、1つ目の電球にかかる電圧が2Vだから、電圧の高さが
5-2=3
で3Vまで下がるね。
つまり、2つ目の電球で3V下がれば、1周したときに0Vに戻ることができるね。
よって答えは3Vになるんだね。
考え方が大切だよ。
例3
電球と抵抗にかかる電圧が、それぞれ「2V、3V、1V」だね。
電源の電圧をV1とすると、V1は何Vかな?
先生、電球と抵抗はどう違うの?
回路を考えるときは電球と抵抗はまったく同じと考えていいよ。「電球は光る抵抗」のような感じだね。
なら簡単。下がる電圧の合計が6Vだから、電源の電圧(上がる電圧)は6Vだね。
そう。答えは6Vだね。
もう一度「電圧がよくわかる4つのルール」をのせておくね。
- 電源(電池)電池②では電圧の高さが上がる。(必ず電源の+側が高くなる。)
- 電球電球と抵抗抵抗では電圧の高さが下がる。
- 導線は高さが変化しない(長さに関係なく)
- 回路を1周したとき、高さは「0」である。
しっかりと覚えよう。
これを公式にしてみるよ。
直列回路の電圧の公式は
V1=V2+V3+V4
電源の電圧は抵抗や電球にかかる電圧を足したもの
となるんだ。
電圧の記号はVを使うの?
そう。電圧の記号は「V」を使うことが多いよ。
電流は「I」だったね。
この公式も覚えておくといいよ。
ただ、「電圧がよくわかる4つのルール」のほうが大切だね!
並列回路にかかる電圧
次に並列回路(分かれ道がある回路)の説明だよ。
例1
電源の電圧が4Vのとき、電球にかかる電圧①と②は何Vかな?
これはどう考えるの?
考え方は直列回路と全く同じ。「電圧がよくわかる4つのルール」でいいんだ。
電圧がよくわかる4つのルール
- 電源(電池)電池②では電圧の高さが上がる。(必ず電源の+側が高くなる。)
- 電球電球と抵抗抵抗では電圧の高さが下がる。
- 導線は高さが変化しない(長さに関係なく)
- 回路を1周したとき、高さは「0」である。
だね。
これをつかって例1を解いていこう。
まず電池の前からスタートし、電池があるから4V高さが上がるね。
そのまま↑、←と進んだところで、分かれ道があるね。
並列回路は分かれ道がある回路だからね。これはどうするの?
分かれ道があるときは、とりあえずどちらかの道へ進めばいいよ。
まずは上に進んでみよう。
上に進むと①の電球が1つあって、そのままゴールだね。つまり、①の電球で何V下がっているのかな?
電池で4V上がって、1周して0にもどらなければいけないから、4V下がったんだね。
正解。①は4Vだね。
次に下に進んだ場合を考えてみよう。
下に進むと②の電球が1つあって、そのままゴールだね。つまり、②の電球で何V下がっているのかな?
①と同じ考え方だね。②でも4V下がったんだね。
OK。②も4Vだね。
答え ①4V ②4V
イメージ図も追加してみるよ。
①も②もかかる電圧は4Vだね。
2つの電球に同じ電圧がかかるんだね
例2
電源の電圧が5Vのとき、電球にかかる電圧V1、V2、V3は何Vかな?
答えを先に言うと、V1、V2、V3すべて「5V」が正解になるよ。
「電圧がよくわかる4つのルール」の考え方でみていこう。
V1からみていこう。電源の前からスタートして、電源で5V電圧が上がるね。
そして、3つの分かれ道があるけれど、まず上の道から行ってみよう。
上の道に行くと、電球が1つだけあって、そのままゴールだね。
電源で高さが5V上がって、1周回るときには0Vでなければいけないから、電球にかかる電圧V1は5Vだね。
V1は5V
次にV2をみていくよ
電源の前からスタートして、電源で5V電圧が上がるね。
3つの分かれ道の真ん中を進もう。電球が1つだけあって、そのままゴールだね。
電源で高さが5V上がって、1周回るときには0Vでなければいけないから、電球にかかる電圧V2は5Vだね。
V2は5V
最後にV3だね。
電源の前からスタートして、電源で5V電圧が上がるね。
3つの分かれ道の下を進むと、電球が1つだけあってそのままゴールだね。
電源で高さが5V上がって、1周回るときには0Vでなければいけないから、電球にかかる電圧V3は5Vだね。
V3は5V
答え V1 5V V2 5V V3 5V
これも全部同じ電圧だね。
そうなんだ。
では、これを公式にしてみるよ。
並列回路の電圧の公式は
並列回路の電圧の公式
V1=V2=V3=V4
電源の電圧が、抵抗や電球にかかる電圧に等しい
となるんだ。
なるほど。「電圧がよくわかる4つのルール」といっしょに、これも覚えておくと便利だね。
うん。この公式も覚えておいてね。
最後に応用問題だよ。
電圧がよくわかる4つのルールを覚えておくと、応用問題も簡単に解けるんだ。
上の図のV1、V2にかかる電圧はそれぞれいくつかな?
V1は電源で5V上がって、1つ目の電球で2V下がるから、3V下がればいいね。
V1=3V
V2は電球1つだけだから、5V下がればいいね。
V2=5V
イメージ図だとこのようになるね。
これで電圧の説明は終わりだよ。
回路の勉強で、1番難しいところだけど、よくここまで読んだね!
このページは必ず何回も読みに来てね。
読むたびに早く読めるようになって、知識も定着するよ。
「電流」と「電圧」の違いを完璧にすることが大切だから、前の「電流」のページも何回も読んで、混ざらないようにしよう!
本当によくがんばったね。次のページは抵抗の勉強をするよ。
お疲れさま。それではまたね☆
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