「教員からの転職体験談」シリーズ。今回は
- 元私立の中高一貫校教員
- 40歳で転職を決意
- 不動産会社に転職成功
- 毎日5時退勤を可能にした
「kow(コウ)」さんの転職体験談を紹介します。
(下は実際のインタビューの様子)
子どものころからの夢であった教員。その教員からの転職を40代で決意したkouさん。
見事転職を成功させ、過酷な労働環境を改善させました。以下は転職前後の変化です。
転職前 | 転職後 | |
残業時間 | 80時間/月 | 5時間/月 |
休日 | 1日/週 | 2日/週 |
年収 | 480万 | 450万 |
年齢 | 〜39 | 40〜 |
その背景にはどのような物語があったのでしょうか。
転職前
教員を志した理由
kouさんは日本の北方の地方で、のびのびと育ちました。
そんなkouさんが、教員を志すきっかけとなった最初の出来事は小学生のときです。
小学校時代の思い出
kouさんは1学年2〜3クラス規模の、地方としては標準的な大きさの公立学校に通っていました。
小学2年生のある日、kouさんは何気なしに、友人に差別的な発言をしてしまいます。
その発言を聞いていた担任の先生が、kouさんの差別的な発言をキツくしかってくれたそうです。
このとき先生がキツく叱ってくれたことが、40歳の今でも心に残っているほど、大きな影響を与えたそうです。
この時の先生のおかげで、人として大切なことを学び、人格形成にも大きな影響があったそうです。
小学校2年生で先生から叱られたことが大きな影響となるとは、kouさんの素直な性格が伝わってくるエピソードですね。
中学・高校時代の思い出
中学・高校で出会う先生も、熱心な先生が非常に多かったそうです。
どの教科の勉強も、楽しくわかりやすく教えてもらうことができ、充実した学生生活を送ります。
kouさんは、中学校・高校と生徒会役員を務めます。その際に
- 校則
- 企画
- 学園祭の出し物
などを学校の先生に提案した時も、先生方は快く話を受け入れてくれたそうです。
もちろん企画や提案が実際に通ることは多くはなかったようですが、kouさんはじめ子どもの意見やアイディアを受け入れてくれる先生方は、非常にありがたい存在だったようです。
このあたりから教員に興味を持ち始めたkouさん。
地元の教員養成系の国立大学に進学することを決意します。
大学時代
教員を一直線に目指すkouさんは国語科を専攻します。
- 得意教科が国語だった
- 専門的な知識を身につけたい
- 言葉のなりたちに興味があった
などが理由だそうです。
教育実習には2回行ったそうです。
- 3年生で中学校へ
- 4年生で小学校へ
授業はうまくいかないことも多かったそうですが、楽しく充実した体験を得ることができたそうです。
実習にいくまでは曖昧だった「教員」という仕事のイメージもかなり具体的なものとなり、「大変そうだが、頑張ろう!」と思えたそうです。
中高一貫校を目指した理由
kouさんは中高一貫校の教員になることを志望します。
理由としては、「中学校の教員では3年間の繋がりで終わってしまうから。」kouさんはもっと長い目で子どもたちと関わりたいという気持ちが強く、私立の中高一貫校の教員になることを決めます。
見事採用され、晴れて教員としての生活をスタートさせるのでした。
教員時代
kouさんは就職先の中高一貫校で、15年間働きました。
インタビューをしてみて、特に大きな違いを3つ感じました。
- 先生の入れ替わりがとても少ない
- 入学してもらうための広報業務
- 土曜授業
この2点は公立の中学校とはかなり違う様子でしたね。
1つ目の「先生の入れ替わりが少ないこと」これはメリットにもデメリットにもなるでしょうが、kouさんは比較的安定した人間関係の中で仕事ができたようでした。
ただし
若手の男性ということで、様々な仕事を振られてしまうということはあったようです。
これは公立の学校と変わりませんね。
2つ目の「入学してもらうための広報業務。」これはかなり大変だったそうです。
私は公立の教員だったため、縁が無い業務ですが、大変な業務であることは容易に想像ができます。
特にkouさんの学校は大きな強みや特色がない学校だったため、毎年の生徒集めはかなり大変だったそうです。
最後に土曜授業。半日授業ではあったものの、ただでさえ平日が忙しいため、非常に忙しい日々だったそうです。
しかしその一方で、中高一貫校ならではの楽しさ。つまり、思春期の学生と長い期間ともに生活をできることは、大きな喜びであったそうです。
中学生の時には反抗期で、心を閉ざしていた生徒も、大学入学前には心を開き、見違えるような成長をする姿を目にすることもできたそう。
大変な一方で、やりがいを感じることも多かったそうです。
転職を考え出したきっかけ
そんなkouさんですが、40歳が近づいてくると、次第に転職を考えるようになってきます。
一言で言えば業務量の多さです。
kouさんの学校は小規模校だったため、校務分掌のかけもちが大変だったそうです。
小規模校ほど、分掌の量が増えるのは、公立、私立共に同じなんですね。
毎日の帰る時間の平均は8時〜9時ころ。繁忙期となると日をまたぐこともしばしばあったそうです。
最も大切にしたい授業準備の時間もなかなかとることができず、これでいいのかと思うこともあったそうです。
そして
kouさんはじめ先生方の努力もなかなか実を結ばず、学校の経営状況は次第に悪くなっていきました。
40代も近づき、業績は悪化。仕事は忙しさを増し、「このまま一生働き続けることは難しい。」そう考えたkouさんは転職を決意します。
40歳、お子さんが2人いる時だったそうです。
転職活動
40歳で転職を決意したkouさん。転職の際に重視するポイントを以下のように絞りました。
kouさんが意識したポイント
残業時間が無く、自分や家族との時間を大切にできること。
仕事が無い、空白の期間をつくらないこと。
収入をあまり下げないこと
転職の主な候補は次の3つ。
- 公立学校
- 私立学校
- 民間企業
まずは「公立学校」教員自体が嫌になったわけではないkouさんは、公立学校への転職も1度は考えたそうです。
しかし、公立の教員として働きながら、毎日定時に帰ることは困難と考え、選択肢から外します。
また、別の私立学校への転職も考えたそうですが、私立学校はなかなか教員の募集を行わないため、「仕事が無い(無職の)時間をつくりたくない」kouさんにとって転職のタイミングが難しいものでした。
もろもろの条件を考えた結果。kouさんは民間企業への転職を決意します。
kouさんは早速転職エージェントに登録し、仕事探しを始めます。10月の後半のことでした。
転職エージェントとは
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kouさんは、「doda」「ビズリーチ」「リクルートエージェント」に登録し、転職活動を開始します。
ですが、40代の転職活動は簡単にはいかなかったそうです。
というのも
教員からの転職で、「収入を下げたくない」という条件があったため、難易度が上がってしまっていたのです。
収入面を妥協すれば、転職活動はかなり楽になったと考えられますが、2人のお子さんがいるkouさんは、簡単には妥協できなかったのでしょう。
その分、業種などにはこだわらずに転職活動を行なったkouさん。
見事2社から内定をもらいます。
内定をもらったのは
- 人材派遣会社の営業職
- 不動産会社の営業職
の2つです。特に人材派遣会社のほうは、教員時代の進路指導の経験も活かすことができると、前向きに考えていたそうです。
ところが事態は急変。知り合いから「不動産会社の事務職として働かないか?」という打診をもらったそうです。
条件などを聞いたところ、給与は多少下がるものの、勤務時間は8時半〜5時と、希望に合った条件でした。
給与の減少は、「副業可」ということもり、転職を決意します
転職後
みごと転職を成功させたkouさん。転職前後では、以下のような変化がありました。
転職前 | 転職後 | |
残業時間 | 80時間/月 | 5時間/月 |
休日 | 1日/週 | 2日/週 |
年収 | 480万 | 450万 |
年齢 | 〜39 | 40〜 |
特に毎日定時に帰れることが驚きで、「明るいうちに帰っていいの?」という気持ちになったそうです。
私も元教員だったので、明るい時間に帰ることに違和感がある気持ちはとてもよくわかります。笑
現在は家族との時間も増え、空いた時間は副業を行ったり、心身ともに安定した生活を手に入れることに成功をしたそうです。
転職後の後悔
転職後の後悔について聞いてみましたが、「ほとんど無いです。」とのことでした。
強いて言えば
- 卒業するまで関わるはずだった生徒への申し訳なさ
- 生徒と関わらなくなったことによる、ハリのなさ
などには思うところがあるそうです。
そうですね。私も過労で心身を壊し退職をしてしまったので、この気持ちは本当によくわかります。
でも、後悔している点がこの点のみ。というのは、転職がうまく行った証拠ではないでしょうか。
教員の転職は、後悔する人が少ないです。私が100人にアンケートをとった結果をみても明らかです。
kouさんが転職し、家族との時間がとれるようになり、自身の健康も守ることができたことを嬉しく思います。
教員から転職をすると、自分の時間にゆとりができることが大きなメリットだと思います。
それは、アンケート結果からも明らかです。
転職を考える方へアドバイス
最後に、転職を考える方へ、kouさんからのメッセージをお伝えします。
転職とは大きなイベントで、成功するまでには大変なことがたくさんあると思います。
自分・家族のことをよく考え、後悔の無い選択をしてほしいです。
自分は異業種へ転職しましたが、教育業界への転職が最も無難だとは思います。
転職の際には、教え子のことが頭をよぎることも多いと思いますが、自分が健康なことが最重要なので、ご自身のことを大切にしてほしいです。
とのことでした。
まとめ
これで、40代で転職を成功させたkouさんの転職体験談を終わります。
今年度の転職を考えておられる方は、ぜひ転職エージェントに登録してみてはいかがでしょうか。
「転職すべきかどうか」という相談から乗ってもらえます。
最もおすすめなのは「doda 」です。業界最大級の求人数をもち、「全年代・全業種・全地域」に対応しています。
さらに教員・公務員の転職にも強く、教員からの転職には最適です。
個人で転職活動をするのはリスクが高すぎるため必ずエージェントを利用しましょう。
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