公立学校の教員は公務員であり、安定した給与が保証されています。
教員は子どもの成長に携わる素晴らしい仕事でもあります。
しかし近年、教員の多忙化が問題になっています。
この記事では「教員の仕事は激務なのか?」を元教員が、実体験とアンケート結果から検証していきます。
私の中では、今でも現役の先生方はヒーローです。
私のように倒れる教員が二度と出てこないよう、先生の心身の安全が保障される社会になってほしいです。
【結論】教員の仕事は激務といえる
結論。教員の仕事は激務といえます。
私自身の経験からも、ネット上の意見からも、教員は激務であるという感想が大半を占めます。
もちろん
- 教員が激務なのは本人の能力が足りない
- 民間の方がもっと大変
という意見もあるでしょう。それが間違いだとは思いません。
(私も、自分が倒れたのは能力の無さが原因だったとも思います。)
ですがこれほど教員の不人気、病休者が出ていることを考えると、教員が激務であることは疑いようが無い事実と断言できます。
教員の仕事が激務と言われる理由
続いては、教員の仕事が激務と言われる理由を考えていきましょう。
主な理由は次の4つです。
- 残業時間が長すぎる
- 昼休みが無い
- 休日が無い
- 人間関係のストレスが多い
それぞれ解説をしていきます。
残業時間が長すぎる
1つ目は残業時間が長すぎる。ということです。
これが諸悪の根源とも言えるでしょう。
現在教員の時間外労働時間は45~120時間と言われています。
持ち帰りで仕事をしている先生方も多いので、もはや本当の時間は闇の中です。
特に月80時間以上の残業は、労働基準法を元にした36協定で定められている時間外労働の上限時間を明らかに超えることになるため、労働基準法に違反します。
さらに恐ろしいのは、教員には残業代が出ないことです。
教員に残業代が出ないのは「給特法」で定められているため。
「校外実習」「学校の行事」「職員会議」「非常災害」など超勤4項目と呼ばれるもの以外は教員が「自発的に」行った業務とみなされます。
残業代を支給しない代わりに、教職調整額が支給されるのですが、その額は給料月額の4%です。
これは昭和41年という50年以上前の教員の平均残業時間をもとに定められたものです。
昭和41年の教員の残業時間の平均
小学校 → 16分(月5時間ほど)
中学校 → 30分(月10時間ほど)
高校 → 21.6分(月7.5時間ほど)
多忙化の解消とともに、正当な報酬も支払われるよう、労働環境の改善を期待します。
昼休みが無い
教員が激務と言われてしまう理由の2つ目。それは昼休みが無いことです。
教員の昼休みはとにかく忙しいです。
荒れた学校では事件が起きないか監視を強める時間帯ですし、落ち着いた学校でも委員会や生徒会活動の話し合いと大変です。
私は公立学校を3校勤務しましたが、昼休みに昼寝できる。なんて学校はありませんでした。
休日が無い
3つ目は「休日が無い」ということです。
これは土日にも仕事をしないと平日が回らない。というのが大きな理由の1つでしょう。
また
近年課題になっているのが部活動です。
私はスポーツが好きでしたので、部活動にも力を入れていましたが、それでも大変なときはありました。
正直、教科よりもスポーツの勉強をしている時間の方が長かったです。
休日が仕事になってしまうと、自分はともかく家族にも影響を与えることも問題です。
30代で子どもをもつ先生が増えると、特に土日の仕事は負担になってしまうでしょう。
人間関係のストレスが多い
最後は「人間関係」のストレスが大きい。ということです。
人間のストレスのほとんどは「人間関係」です。
子ども・保護者・同僚との関わりが増える教師という仕事は、ストレスが増えるのは無理がないかもしれません。
すべてが順調の時は良いですが、歯車が狂い始めると大変です。
特に近年は、難しい家庭が増えており、細やかな対応が求められますね。
個人的には、全ての学校に教員数をプラス2〜3人はしてほしいです。
これらが、教員が激務と言われている主な理由でした。
続いては、激務の解消法を紹介していきます。
教師の激務を解消する方法
国には教員の多忙化解消のための施策を期待したいところですが、最終的には自分で何とかするしかありません。
ここでは教師が激務を解消するための代表的な方法を3つ紹介させていただきます。
主な解消法は次の通りです。
- 自分の仕事を見直す
- 体調が悪い場合はすぐに休もう
- 40年間続けるのが難しいなら転職も検討
それぞれ解説をしていきます。
自分の仕事を見直す
始めにおすすめしたいのは「自分の仕事を見直す」ということです。
そうですね。仕事を効率化させる努力はしなければいけませんが、それにも限界があるでしょう。
個人的には「仕事の断捨離」をするのをおすすめしたいです。
私はコレが下手だったので、体を壊してしまいました。
時間が有限である以上何らかの仕事は諦めたり、手を抜いたりすることが大切ではないでしょうか。
教員は放っておけばどんどん仕事が増えていってしまいます。
仕事の基本はスクラップandビルド。
何かを新しく始めるには、何かを捨てなければいけません。
教員はとても優秀で仕事ができる人が多いですが、スクラップが下手な人は多いのかもしれません。
子どもと同様、先生方の体や命も大切です。
ぜひ仕事の断捨離を検討してみてください。
体調が悪い場合はすぐに休もう
激務に疲れ、体調が悪いと感じたら休暇をとっていただきたいです。
私の経験からすると、
- 動悸
- 呼吸
- 睡眠
- 食事
などに違和感を感じている場合は赤信号です。
私のように
身体を壊すと非常に大変です。
正直リストラなんて屁でもないくらい大変です。
リストラなんて、次の仕事を探すだけです。
身体を壊してしまったら、十分に働くこと自体ができないのです。
これは数日の有給休暇をとってもいいですし、病気休暇を取るのも手です。
病気休暇の基礎知識は以下の通り。
- ケガや病気で勤務できない時に取ることができる。
- 教育委員会に申請する書類1枚と病院の診断書1枚必要になる。
- 基本は最大90日取れる。
- 給料は満額(100%)支給される。
(上記は自治体により違いあり)
くり返しますが、先生方の身体、命も1つしかありません。
身体を壊しても、だれもあなたとあなたの家族の人生の責任をもちません。
休むことも選択肢の1つとして、ぜひ覚えておいてください。
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40年間続けるのが難しいなら転職も検討
教員として働くこと自体が難しいと考えるなら、転職を検討するのもアリでしょう。
まずは軽い気持ちで転職活動を始めてみましょう。
大丈夫です。
転職活動は、転職を決意してから行うものではありません。
まずは良い仕事がないかを探してみて、それで今より良い仕事が無ければ教師を継続すればよいのです。
教師より良い仕事が見つかるにしろ、見つからないにしろ、今より前向きな気持ちで仕事に取り組むことができるでしょう。
転職先を探すには転職エージェントを利用することがおすすめです。
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教員からの転職であればここ一択でしょう。
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ただ、私は先生方に転職をしてほしいわけでも、転職をしてほしくないわけでもありません。
先生方が転職で失敗して不幸になっても、だれも責任をとりません。
また、先生方が転職をしないで不幸な人生を送っても、だれも責任をとりません。当然のことです。
ぜひしっかりと検討し、決断をしていただければと思います。
重くなってしまいましたが
教員よりもブラックな企業は少ないので、それほど心配をしないでください。
私が教員からの転職者100名にとったアンケート結果も載せておきます。
ぜひ参考にしてください。(詳細はこちら)
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まとめ
これで「教員は激務なのか?」に関する解説を終わります。
結論は、教員は激務であるということになります。
しかし言うまでもなく、教員は無くてはならない、素晴らしい仕事の1つです。
何とか労働環境が改善されることを祈っています。
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教員の転職エージェントやおすすめ転職先について詳しく知りたい方は、以下の記事をごらんください。
教員から転職し、5時に退勤する日常を手に入れたい…。そんなあなたへ向けたページです。私は教員として11年間勤務しました。毎日9時過ぎに帰宅残業代は無し土日は部活動という労働環境の中「子どもたちのため」[…]
この記事が参考になり、先生方の未来が一層明るいものになることを、心よりお祈りいたしいます。