現在教員1年目。だけど仕事がきつい…。
そのような悩みをもつ先生方が、現在非常に増えています。
この記事では、教員1年目の先生方に向けて「教員きつい…」と感じる原因、感じたときの対処法を紹介していきます。
教員1年目が「きつい」と言われる原因
教員1年目はなぜ「きつい」のか。
私が考える主な理由は以下の3つです。
- 仕事に慣れない・見通しが持てない
- 子どもの前ではベテランと同じ力量を求められる
- 保護者からのプレッシャーが大きい
それぞれ解説をしていきます。
仕事に慣れない・見通しが持てない
まず最初の理由は「仕事に慣れない・見通しが持てない」ということです。
そうです。初任の先生であればだれもが、4月1日の職員会議での「みんな何の話してるの?」という感情を覚えているでしょう。
私も話の内容が全く理解できず、しかも入学式準備の仕事分担で私の名前がなく、「すみません。私何をすればいいんですか?」と会議中に質問したことを覚えています。
(先生方は温かく笑って、「今年は見てればいいよ」と言ってくださいました。)
このような「何をすればいいの?」感は1年間継続します。
やはり資料を読んでも今ひとつピンとこず、結局体験してみるしかない部分も大きいのです。
せめて授業にだけ集中できればいいのですが、なかなかそうもいきません。
さまざまな行事や研修などに振り回され、「きつい」と感じてしまう初任の先生が多いのは仕方ないと思います。
そうですね。私は教員と民間の両方の経験がありますが、確かに同じかもしれません。
ですが、1年目の先生方を苦しめるのは、これだけではないのです。
子どもの前ではベテランと同じ力量を求められる
1年目の先生が「きつい」と感じる理由。2つ目は「子どもの前ではベテランと同じ力量を求められる」ということです。
職員間では「1年目だから仕方ない」という配慮をされることもあるでしょう。
しかし子ども前ではそうもいきません。
- 授業
- 学級経営
- 行事の指導
などは他の先生と同列の基準で子どもたちは見てきます。
小学生であれば次第に収集がつかなくなってきますし、中高生であれば舐めてかかってくることも大いにありえます。
世の中の人が考える以上に、子供を長期間まとめていくことは大変、かつ技量がいることです。
授業が下手だけど「1年目だからガマンして聞いてやるか」なんて子どもは存在しません。
1年目だからベテランが授業についてきてくれることもありません。1発目の授業から一人ぼっちです。
このような現実が、初任の先生に与えるプレッシャーは小さくないでしょう。
保護者からのプレッシャーが大きい
さらに追い討ちをかけるのは「保護者からのプレッシャーが大きい」ということです。
ひと昔(ふた昔?)前であれば、保護者から初任の先生に「頑張ってね、好きなようにやって!」というような声かけがされることも少なくなかったようです。
初任の先生はできないことが多くて当たり前。親や地域も先生を見守り育てる。
そんな風潮があったそうです。
しかし現在そんなことは滅多にないでしょう。
むしろ「辞めさせてやる」という過激な考え方をする方もいるようです。
日本全体が余裕の無い社会になる中、一切反撃をしてこない学校・教員は攻撃しやすいのでしょう。
まして初任であればなおさらです。
このようになってしまうと、初任の先生方非常にきつい状況となってしまうのでしょう。
これらが1年目の先生方が「きつい」と感じる主な理由だと私は考えます。
「きつい」と感じたときの対処法
それでは続いて、「きつい」と感じたときの対処法を紹介していきます。
主な対処法は以下の通りです。
- 悩みを相談する
- 自分の仕事観を見直す
- 休暇を検討する
- 転職を検討する
それぞれ解説をしていきます。
悩みを相談する
はじめにお勧めしたいのは、「悩みを相談する」という方法です。
そうです。「きつい」「辛い」と感じたまま日々を過ごしていると、どうしてもストレスがたまり、視野も狭くなってしまいます。
そんなときは一度、話を聞いてもらったり、客観的なアドバイスをもらうと良いでしょう。
相談するのは、以下のような方々がおすすめです。
- 友人
- 家族
- 同僚・先輩
友人に相談する
まずは友人です。学生時代のあなたを知っている友人であれば、現在のあなたの様子を客観的に見て、アドバイスをくれるでしょう。
また、気軽に愚痴を言いやすいのも良いところです。
注意点としては、友人が民間に勤めている場合、学校現場のイメージを正確につかむことは難しいでしょう。
そのため、現場に沿ったアドバイスはもらえないことを理解しておきましょう。
家族に相談する
続いてのおすすめは、家族に相談することです。
あなたの家族は、あなたの最大の理解者であることも多いでしょう。
何より
あなたの家族として、最も親身に話を聞いてくれる存在と言っても過言ではありません。
深い悩みを聞いてもらうのもよいですし、気軽に愚痴をこぼすようなことでも良いでしょう。
友人と同様、教育に関する専門的なアドバイスはもらえませんが、きっとあなたを支えてくれるはずです。
同僚・先輩に相談する
友人、家族だけでなく、学校の同僚や先輩に相談することもおすすめです。
相談しやすかったり、頼れる人がいれば、話を聞いてもらうと良いでしょう。
友人や家族と異なり、現場の視点から具体的なアドバイスやサポート
をもらえるかもしれません。
特に授業や学級経営などの悩みは、早めに手を打てば打つほど効果が高いです。
あなたが最も相談しやすい相手に、ぜひ相談をしてみると良いでしょう。
ただし、同じ職場の人間関係の悩みを相談するときは、信頼できる先生に相談するようにしましょう。
安易に同僚や先輩の愚痴をこぼすと、より状況が悪化する可能性もあるからです。
ここまで「きつい」と感じたときの対象法「①悩みを人に相談をする」を解説してきました。
相談することで、少しでも先生方の辛さがやわらげば幸いです。
自分の仕事観を見直す
辛いと感じたときの対処法。2つ目は「自分の仕事観を見直す」ということです。
そうです。学校現場は忙しいため、どうしても時間のほとんどを仕事につかってしまいがちです。
(私も帰って、寝て、すぐに出勤。なんて時期がありました)
しかし人生は仕事がすべてではありません。もしかしたら先生方にも、仕事以外に大切にしたい時間があるかもしれません。
一度そのような時間管理を、対極的な視点から見直してみるのもよいでしょう。
大切にしたい時間があるのであれば、「水曜日の8時からは必ず〇〇に使う」などと決めてしまうとよいでしょう。
そうしないと絶対に時間が空かないからです。
趣味や好きなことに時間を使い、リフレッシュすることができれば、新たな気持ちで仕事に取り組むことができるでしょう。
教師という仕事は、時間をかけはじめるとキリがない仕事です。
自分で仕事に区切りをつける力を身につけ、よりよい人生計画を立てていってください。
休暇を検討する
「教員きつい」という思いがつのり、心身ともに疲弊し、健康面に悪影響が出ている場合は、休職も検討する必要があるでしょう。
特に
- 食事
- 睡眠
- 動悸
- 呼吸
などに違和感を感じる場合は赤信号です。
(私の場合はこれらの症状が3年ほど続き、最終的には倒れてしまいました。)
休暇は数日の有給休暇をとってもいいですし、病気休暇をとるのもありでしょう。
病気休暇の基礎知識は以下の通り。
- ケガや病気で勤務できない時に取ることができる。
- 教育委員会に申請する書類1枚と病院の診断書1枚必要になる。
- 基本は最大90日取れる。
- 給料は満額(100%)支給される。
(自治体により違いあり)
「教員が辛い」と感じているかたは、とても真面目で一生懸命な方が多いと思います。それは素晴らしいことですが、体を壊してしまっては何にもなりません。
場合によっては休暇も検討してみてください。(休暇に関する詳しい解説はこちらの記事をみてください。)
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転職を検討する
「教員辛い」と感じたときの対処法。最後は「転職を検討する」です。
私自身はみなさんに「転職すべき」「転職しないべき」という押し付けをするつもりはありません。
最終的にはみなさんが決めることです。(当然ですが)
転職をして不幸になっても、転職をしないまま納得のいかない人生を歩いても、だれも責任をとってくれないからです。
大きな決断となりますが、最終的にはみなさんが決めるしかないことです。
しかし、必要以上に恐れる必要もないのかもしれません。
以下は私が教員からの転職者100名に行ったアンケート結果の一部です。
私もそうでしたが、教員を辞めるというのは大きな恐怖心をともないます。しかし、辞めてしまえば意外とさっぱりするものです。
また、幸か不幸か、現在は教員が不人気職であるため、再度教員に戻ることも難しくありません。
転職については熟考する必要はありますが、最終的にはやってみないとわからないことでもあります。
教員が辛い原因が、年数を重ねたり、職場を変えても改善が難しそうな場合は、転職に踏み切るのもよいでしょう。
くり返しになりますが、体を壊してしまったら何にもならないからです。
最もおすすめなのは、転職エージェントを利用することです。
「転職エージェント」とは、求職者と企業とのマッチングサービスのこと。
転職が成功すると、企業からエージェントに報酬が支払われるため、求職者は無料で利用することがきます。
私のイチオシはdoda です。
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「自分は転職をすべきか」「自分に向いている仕事は何か」ということから相談できるので、まずは気軽に登録してみるとよいでしょう。
ポイントは、「転職を決意→転職活動」ではなく「転職活動→転職を決意」という順番にすることも大切です。
転職活動をしてみて、教員以上の仕事が見つからなければ、教員を続けるのもありです。
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教員から転職し、5時に退勤する日常を手に入れたい…。そんなあなたへ向けたページです。私は教員として11年間勤務しました。毎日9時過ぎに帰宅残業代は無し土日は部活動という労働環境の中「子どもたちのため」[…]
まとめ
これで1年目で教員が辛い方向けの原因と対処法の解説を終わります。
教員は大変ですが、素晴らしい仕事でもあります。
辛さを克服し働くことも非常に価値がありますし、転職を検討するのも良いでしょう。
みなさまの明るい未来を、心より応援しています。
この記事が少しでも役に立てば幸いです。