「教員からの転職体験談」シリーズ。今回は
- 中学校の英語教員からの転職
- 東証一部人材系企業へ転職
- 労働環境の改善に大成功
という道を歩んだ、「show(しょう)」さんの転職体験談を紹介します。
(下はインタビューの様子)
子どものころからの夢、そして楽しく充実感があると感じていた教員。
そんな教員からの転職を決意した背景には何があったのでしょうか。詳しく紹介していきます。
転職前
中学英語教員を志した理由
showさんが教員を志したのは中学生のとき。
目標とするような素晴らしい先生に出会い、教員になることを決意したそうです。
そうですね。自分は高校の先生でした。教員を目指す人の典型的なパターンだとは思いますが、こういう話を聞くと教員という仕事の素晴らしさを改めて感じますね!
showさんが教員を志したのにはもう一つ理由があります。
showさんが住んでいた市では「留学プログラム」を行なっていたのですが、showさんは中学3年生の時にそのプログラムを利用して留学を行います。
その際普段学習をしている英語が、実際に通用するという成功体験を得たようで、将来は中学校の英語の教師になる。ということを決意したようです。
おっしゃる通り…。
大学時代
教職への思いは衰えることなく、愛知教育大学に進学したshowさん。教育実習も、非常に楽しく充実したものとなったようです。
まったくです。いい先生になりそうな若者オーラが漂っていますね!
しかしここで面白いエピソードが。showさんは教員採用試験の勉強をしながらも、民間企業への就職活動も併せて行なっていたそうです。
理由は「教員が第一希望だが、何となく民間企業の世界も覗いてみたかったから。」だそうです。
私自身は教員採用試験一本で教員になったため、転職時に初めて民間の就職活動を行いました。
「何となく」チャレンジしたshowさんのこの体験が、後の「教員からの転職」にも役立ったのかもしれませんね。
5社中2社、内定をもらったようです。どちらも大手企業で、「飲食関連」「不動産関連」の企業だったようです。
それに加え、教員採用試験にも合格しているので、非常に優秀ということが伝わってきます。
しかし、showさん自身も語っていましたが、教員以外の内定企業が「飲食」「不動産」と方向性がバラバラで、「何となく」就職活動をしていたのは本当のようです。笑
中学校教員時代
showさんは公立中学校の教員として3年間勤務します。
- 1年目→1年担任
- 2年目→2年担任
- 3年目→3年担任
と、教員としての王道のパターンを経験します。
この1年〜3年の一回りを経験できたことは、showさんにとってもかけがえのない経験となり、教員としての楽しさや充実感を存分に味わうことができた3年間だったようです。
転職を考え出したきっかけ
基本的に「教員」という仕事には喜びや充実感を感じていたそうです。しかし、転職を決意したのは以下の3点が非常に大きかったようです。
- 勤務時間の長さ
- 部活動
- 業務内容の偏り
正直、教員経験者であれば誰もがピンときてしまう内容かもしれませんね。
まずは勤務時間と部活動の問題から紹介します。
showさんはサッカー部の顧問だったそうですが、夏で言うと
- 朝7時から朝練習
- 夕方は6時半完全下校
という状況だったようです。とても大変ですが、部活に力を入れる地域の中学校としては、それほど珍しく感じられないところが中学校教員の恐ろしいところです。
言うまでもなく、子供たちが下校した午後7時から諸々の準備が始まります。
毎日の帰りは10時ころになっていたそうです…。
担任を持ちながら、授業も1回り目ということで準備は本当に大変だったと思われます。
showさんは中学・高校とバスケ部で、スポーツは好きだったようですが、度を越した練習時間の長さ。
そして教員は部活動をやってこそ一人前。(むしろ部活動のほうがメインの評価対象)
という現実に強い違和感を感じていたそうです。
さらに驚きなのが、朝練の前に毎朝不登校傾向のある生徒の家に顔を出していたようです。
生徒やその保護者が強く要望したわけではないそうですが、学校全体の意向として、毎朝7時前に生徒宅へ訪問していたそうです。
勤務時間の長さに加え、showさんがもう一つ強く違和感を感じたことが、ベテランの先生がわがままをいい、重い部活動や校務分掌を避ける。
という現実があったことです。そのしわよせは若手のshowさんに直撃します。2年目、3年目にかかわらず、業務量はますます増えて行ったそうです。
このようなことから、3年担任時の6月、ついに転職を決意します。
このときは「転職しようかな」という感じではなく「転職をしよう」という固い決意だったそうです。
転職活動
結論から言うと、showさんは「東証一部上場人材会社」への転職を大成功させます。しかしそこまでには多くの苦労があったそうです。
転職活動を始めたばかりのころに、showさんが転職先として真っ先に思いついたのは「教育業界」だったそうです。
そうですね。教員からの転職先で最も多いところでしょう。加えて英語の教師だったshowさんは、教育業界だけでなく得意の英語を生かせる職場にも応募していきます。
内定をもらった転職先
転職活動から1ヶ月。7月にshowさんは早くも内定を勝ち取ります。内定先は「『教育業界』マレーシアでのコールセンター業務」だったそうです。
内定が決定したことにshowさんは大喜び。一時はこの内定先への転職を決めかけます。
しかし、彼女(現在の奥さん)とも話し合う中、将来を見据えこの転職先には決められないと、もう一度転職について深く考え直します。
このとき、人生で初めてshowさんは自分の将来を真剣に考え、自己分析を行ったそうです。その結果、「人の人生に影響を与えられる職業につきたい」「英語のスキルも生かしたい」との結論に至り、人材系企業への転職へ向けて歩き始めます。
私自身も転職をして感じますが、1度で自分が本当に望む職業に就けることは本当に稀だと感じます。
もはや「将来の夢」=「職業」という時代ではありません。職業とは自分の人生を満足させる一つの手段です。
教員を経験し、その上で自分の人生を見つめ直し、自己分析を重ねることができたshowさんは本当に賢明だったと言えるでしょう。
その後showさんは、転職活動にさらに力を入れます。しかしなかなか思うようにいかず、書類選考を送った企業は100社以上にのぼったそうです。
教員からの転職って、そんなに難しいの?
自分もその点はshowさんに質問してみました。教員からの転職が難しくなりがちなのは、以下の2点が原因のことが多いそうです。
- 教員で得た経験が転職で活かせるようPRできているか
- 年収が下がることを許容できているか
以上の2点がネックになるそうです。現人材会社社員が言うのだから間違いありません。笑
showさんは
転職サイト「リクナビNEXT」
転職エージェント「doda 」「リクルートエージェント」
をうまく利用し
- 英語のスキルを外国人の人材派遣に生かす
- リクナビNEXT英語のスキルを外国人の人材派遣に生かす
- 年収などのこだわりをやめる
など上手に軌道修正をしながら、見事への転職を成功させたのです。
転職成功のための重要事項
「転職サイト」とは、求人を気軽に検索できるサイトのことです。
「転職エージェント」とは担当がつき、転職に関するさまざまなアドバイスを総合的に得られるサービスです。(どちらも無料です。)
詳しく知りたい方は以下のページを見てみてください。
教員の労働環境の異常性に耐えられない⋯今後数十年間、教員を続けられる気がしない⋯心身ともに限界を迎えている⋯。このページは、そんな方へ向けたページです。私自身も教員として11年間勤務しました。要領が良[…]
showさんが利用した転職サイトは
転職サイト「リクナビNEXT」
転職エージェント「マイナビエージェント」「リクルートエージェント」です。
転職を検討している人は、無料なので登録だけでもしておきましょう。人気の求人はすぐになくなってしまうからです。
転職後の生活
見事にを成功させたshowさん。
転職前後の勤務時間や給料の比較をみてみましょう。
教員時代 | 民間1年目 | 民間2年目 | |
残業時間 | 100時間/月 | 60時間/月 | 60時間/月 |
休日 | 半日/週 | 2日/週 | 2日/週 |
年収 | 480万 | 580万 | 740万 |
表を見ると教員からの転職が見事成功していることが一目瞭然ですね。
本当に高いですよね!聞いたとろによると、基本給+成果報酬制度があるようで、優秀なshowさんは結果を出し、それが給与に反映されているとのことです。
残業時間はそれなりにあるようですが、教員時代よりも圧倒的に少なく、現在はリモートでの仕事が中心のため、通勤時間などもなく充実した生活を送っているようです。
今後はさらに経験をつみ、キャリアアドバイザーの道を極めていきたいと語るshowさん。
マネジメント職や後輩の育成など、さらに業務の幅を広げていきたいのだそうです。
さらに副業として、教職や人材会社の経験を生かした仕事も始めているそうです。そんなshowさんがどこまで成長していくのか、末恐ろしいです。笑
転職を考えている先生方へのアドバイス
最後に、showさんから転職を考えている先生方へのアドバイスをいただきました。
まず私が「教員から転職をして後悔はありますか?」と質問すると、「全くないです。」ときっぱりと答えてくれました。笑
- 重要な情報
- 教員からの転職をおこなった人で、後悔をしている人は非常に少ないです。
以前教員からの転職者100人にアンケートをとった結果は以下の通りです。
教員からの転職100人アンケートの結果を知りたい人は下の記事をご覧下さい。
教員辞めたい!転職したい!でも、転職したらどうなるの…?このページでは、そんな疑問にバッチリ答えていきます! 自信満々だね!実はこの記事を作成するにあたり、ランサーズにて「教[…]
showさんからのアドバイスは以下の通り。
まず、転職を考えているのであれば、早ければ早いほど有利になるのは言うまでもありません。
特に若いうちは、ポテンシャル採用も多くあるので、早めの決断がベターであることを知っておいてください。
そして「転職活動」=「転職」ではないことも理解しておいてください。
悩んでいるのであれば転職活動を行なってみて、最終的に転職をするかどうかを判断すればいいので、転職活動への挑戦は積極的に行なってみてほしいです。
とのことでした。
そうだね。転職活動をした結果、実際に転職するかどうかはまた考えればいいんだね。showさんが言うことに非常に納得させられました。
以上、中学校の英語教員から転職活動を成功させたshowさんの転職体験談でした。
転職を考える先生方の参考になれば、とても嬉しいです。
showさんが利用した転職サイト、転職エージェントを下に載せておきます。
よろしければ参考にしてみてください。
転職サイト→「リクナビNEXT」
転職エージェント→「マイナビエージェント」「リクルートエージェント」
教員の労働環境の異常性に耐えられない⋯今後数十年間、教員を続けられる気がしない⋯心身ともに限界を迎えている⋯。このページは、そんな方へ向けたページです。私自身も教員として11年間勤務しました。要領が良[…]
教員はやりがいがある、素晴らしい仕事の1つです。しかし現在、教員の労働環境が問題視され、公務員としては信じられないほどの不人気職となりつつあります。ネットでは子どもや保護者が神様過労死ラインを越える勤務時[…]