公立学校の教員は公務員であり、安定した給与が保証されています。
しかし近年、それでも「教員の給与は割に合わないのでは?」と考える人が増加しています。
教師の給料は割に合わないのか?
このページでは、元教員が実体験やアンケートを元に徹底解説させていただきます。
それでは解説を始めます。
教員の給与を民間企業と比較
まずは教員の給与を民間の給与と比較してみましょう。
まずは民間の給与から
年代 | 平均年収 |
20代 | 348万円 |
30代 | 444万円 |
40代 | 510万円 |
50代 | 613万円 |
続いては教員の給与のデータを2つ。
年代 | 平均年収 |
20代 | 298.4万円 |
30代 | 370.0万円 |
40代 | 479.0万円 |
50代 | 653.0万円 |
年代 | 平均年収 |
20代 | 377〜514万円 |
30代 | 514〜683万円 |
40代 | 676〜782万円 |
50代 | 782〜898万円 |
このように、教員の給与は民間企業の平均と比べ「やや高い」ことがわかります。
また、リストラや倒産などもありませんので、安定していることも魅力でしょう。
以下、調査の結果を詳しく解説をしていきます。
教師の給与が割に合わないと言われる理由
まず「教員の給料が割に合わない」と考える人はどれくらいいるのか?
また、その人数は増えているのか?Googleトレンドを利用して調べてみました。
結果は以下の通り。
これは2023年12月のデータです。
「教員 給料 割に合わない」と検索する人は月間880人もいます。
このような3語の言葉、かつ長い言葉であるにも関わらず、この検索回数はかなり多いと言えるでしょう。
参考
「仕事 辞めたい」72000回。「仕事 楽しい」9900回。
「教員 辞めたい」1600回。「教師 辞めたい」720回。「教員 楽しい」70回。
さらに注目なのは「教員 給料 割に合わない」と検索する人の数が、前年比+48%となっていることです。
その通りです。では、なぜ割に合わないと考える人が増えてきるのか。
原因を考えていきましょう。
自給換算すると割に合わない
1つ目の理由は「自給換算をすると割に合わない」ということです。
教員の給与は民間よりもやや高いのですが、時給換算をした際に、割に合わなくなる確率が高いです。
教員は残業代が出ないためです。
教員に残業代が出ないのは「給特法」で定められているためです。
「校外実習」「学校の行事」「職員会議」「非常災害」など超勤4項目と呼ばれるもの以外は教員が「自発的に」行った業務とみなされます。
残業代を支給しない代わりに、教職調整額が支給されるのですが、その額は給料月額の4%です。
これは昭和41年という50年以上前の教員の平均残業時間をもとに定められたものです。
昭和41年の教員の残業時間の平均
小学校 → 16分(月5時間ほど)
中学校 → 30分(月10時間ほど)
高校 → 21.6分(月7.5時間ほど)
現在の教員の残業時間は月45~120時間ほどと考えられていますので、タダ働きの時間がかなり多いことがわかります。
人によっては、自給換算するとアルバイト以下の給与となってしまう方多いようです。
ストレスの大きさを考慮すると割に合わない
教員は仕事時間だけでなく、ストレスの大きさも問題になっています。
人間のストレスの原点は人間関係です。
やはり人と関わる仕事が多い教員は、ストレスが多くなりがちなのかもしれません。
健康面を考えると割に合わない
お金も大切ですが、それ以上に大切なのが健康です。
私自身過労で倒れ、教員を退職しました。退職して4年ほど経ちますが、身体は完全には回復しません。
身体を壊すことは
リストラよりも何倍も大変です。
リストラなんて、次の仕事を探せば良いだけですが、体調を壊すとそもそも働くことがままなりません。
この、体調を壊す恐れと闘いながらもらう給料にしては、割が合わない。という考え方人も多いようです。
私は今も、現役の先生方を尊敬しています。
ですが、身体だけは大切になさってください。
家族の犠牲を考えると割に合わない
教員の働き方の課題は、本人だけではありません。
家族にとっても大きな影響を与えます。
特に30代となり、子どもを持つ人が増えるようになると、配偶者への負担も考慮しなければいけません。
家族との関係が悪くなってしまうと、お金がいくらあっても幸せな人生を送ることが難しくなってしまうでしょう。
そのようなリスクを考えた場合「教員は割に合わない」となってしまうのかもしれません。
以上「教員が割に合わない」となる主な理由の紹介でした。
続いては「教員が割に合わない」と考える人におすすめの行動を紹介します。
人生で大切なのはお金だけではない
私が教員からの転職者100名にとったアンケート結果を見てみましょう。
このようになっています。
教員からの転職は、年収が下がることも多いにありえます。
(特に30代以上で異業種への転職の場合)
ですが、教員から転職した場合、自由に使える時間は大幅に増えることが多いです。
時間とは人生そのものです。
このように、自由な時間を重視したい方は、転職を検討するのもアリでしょう。
また、キャリアアップによって、新たな人生の楽しみが見つかるかもしれません。
特に教員は昇進を目標とする人が少ないので、キャリアアップを楽しみにするのもアリでしょう。
このように「教員が割に合わない」と考える人は、就職先の変更や、転職先を探すのも良いでしょう。
特に
転職活動は無料でノーリスクで出来ますので、一度行ってみると良いでしょう。
教員よりも条件が良い仕事が無ければ、教員を続ければ良いだけです。
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注意
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まとめ
これで「教員は割に合わない仕事なのか?」の解説を終わります。
- 自給換算
- ストレス
- 健康
- 家族との時間
など「教員の仕事は割に合わない」と言われるのも仕方がない点は確かにあるでしょう。
しかし、教員は無くてはならない、素晴らしい仕事でもあります。
私個人としては、教員の労働環境が、一刻も早く改善されること心より祈っています。
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私自身の経験や、アンケートの結果からリアルな情報をお届けしています。
私自身は、みなさんに「転職しなさい」とも「転職しないでください」言う権利はありません。
転職して後悔する場合も、転職しないで人生を棒にふって後悔する場合もあるでしょう。
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