「教員からの転職体験談」シリーズ。今回は
- 元中学理科教員
- 学校事務職へ転職
- 現在は教育系フリーランス
である「ぽにょん」さんの転職体験談を紹介させていただきます。
中学理科の教員から、教育系フリーランスとなったぽにょんさん。
令和を感じさせる働き方を実践している、ぽにょんさんの転職体験談をぜひご覧ください!
(↓はインタビューの様子)
「ぽにょん中学理科あにめ」というチャンネルで活躍していますね!
わかりやすい授業と親しみやすいイラストが特徴です。私も仕事でイラストを描いてもらうことがあります!
そんなぽにょんさんの転職体験談。はじまりはじまりです。
学生時代
高校生時代
ぽにょんさんが教員を目指し始めたのは、高校3年生の11月のことです。
確かにそうですね。たくさんのインタビューをしてきましたが、教員を志した時期で言えば、最も遅いかもしれません。
きっかけは、友人の進路の相談相手をしていた時のこと。
友達の進路将来に関われることは、とても楽しいな。
と感じたそうです。
そのとき、生物や化学を学ぶ理系の大学を志望してたのですが、さらに教員免許も取れる大学に行くことを決意します。
大学生時代
大学生になり、理科と共に教育学の勉強をはじめたぽにょんさん。
勉強を続ける中で、理科よりも教育学の勉強にハマっていきます。
その中で次第に、「理科の先生になりたい。」という思いが固まっていきました。
もとは、あまり学校が好きなタイプではなかったようです。
ですが、その経験も合わせ、「生徒の話を聞き、心に寄り添える教員になりたい!」と考えたそうです。
教員を志す人には「学校が好きだった」タイプと「学校が嫌いだった」タイプがいます。
ぽにょんさんは後者だったんですね。
教育実習は、母校である公立の中学校に行ったそうです。
実習はとても充実したものでしたが、教員という仕事のハードさは強く感じたようです。
教員はとにかく気にかけなければいけないことが多く、現場の先生の仕事量にとても驚いたそうです。
もともと体が弱い体質だったぽにょんさん。
実習の時点で若干「教員やっていけるかな…」と感じるところはあったそうです。
それでも教員への憧れは強く、教員採用試験にチャレンジします。
結果は見事1発合格。もしも不採用だった時には民間企業への就職も考えていました。
自身の体調に対する不安を感じながらも、夢であった教員生活が始まります。
理科教諭時代
ぽにょんさんは山形県の公立中学校で、理科教諭としてのキャリアをスタートします。
- 3年副担任
- 1年・2年・特支理科
- 文化部副顧問
が担当だったそうです。
そうですね。私も副担任スタートでしたが、担任スタートとは違い負担は少なめだと思います。(全く楽ではありませんが)
講師などの経験もなかったぽにょんさんにとっても助かる条件だったのではないでしょうか。
しかし大変だったのは、新一年生が小学校で学級崩壊を経験した学年だったということです。
やんちゃな子や、それに引っ張られる生徒も多く、とても大変だったそうです。
授業を抜け出す生徒もいるのですが、体調の関係でそれを追い回したり、教室に戻すことがとても大変なぽにょんさん。
上手に諭すようなベテラン的な対応も、新任のぽにょんさんには困難です。
このような日々が続き、体力的・精神的にとても大変な日々だったようです。
一方で、落ち着いた学年の理科の授業は、苦労を重ねながらもとても充実したものだったそうです。
子供たちが喜んでくれたり、理解してくれた時はとても嬉しかったようです。
あっという間に月日は流れ、2年目がスタートします。
ぽにょんさんは
- 3年副担任
- 1年・3年・特別支援理科
- 文化部副顧問
を主な業務として2年を開始します。
昨年度から関係値もある新3年生。昨年授業を経験した1年生ということもあり、多少は負担が減少しました。
しかし、毎日の長時間勤務。少しずつ体力が削られていることを強く感じるようになりました。
このまま何年・何十年と教員を続けていけるだろうか…。
悩んだ末、ぽにょんさんは退職を決意します。
このままでは、いつかきっとダメになってしまう。ダメになる前にやめよう。
今なら子ども・学校にも迷惑をかけることもなく、自分の体も守ることができる。
そのように考え、ぽにょんさんは退職を決めたのでした。
そうですね。しかし実際には「もっと授業がしたい」「担任もしてみたい」という気持ちもあったようで、悩んだ末の決断だったのだろうと思います。
10月に退職の意向を管理職に伝えたぽにょんさん。
幸いこの2年間で貯金がたくさん溜まっていたため、退職した4月からゆっくり転職活動を始める予定だったそうです。
公務員試験を受けようか、教育に関する仕事を続けようか、悩んでいたぽにょんさんに思わぬ話が舞い込みます。
退職の時期を検討している方は、以下の記事も参考にしてみて下さい。
教員の退職を考えている退職の意向の伝え方を考えている退職をする流れを知りたいそんな方々の力になりたいと思い、このページをつくりました。(情報は2024年最新のもの)自己紹介[…]
学校事務時代
ちょうどぽにょんさんが退職するタイミングで、来年度から臨時の事務職の先生が足りない!ということになったのです。
そこで白羽の矢が立ったのがぽにょんさん。
- 学校のことをよく知っている
- 仕事ぶりもわかっている
- 子どもとの関係性もある
- 体力的な負担も少ない
とお互いにメリットが一致。ぽにょんさんは学校事務職へと転職になるのです。
「教員から異業種への転職」の記事でも書いたのですが、学校の先生で事務が得意な人は多いです。
そのような方は、事務職への転職を考えるのも良いと思います。
事務職は働き方が安定していて、働きやすいおすすめの職種です。
教員から転職をしたい教員から異業種は難しい?異業種に転職するポイントを知りたいこのページでは、そのような悩みについて元教員が解説をしていきます。現在の教員は多忙を極めます。昼休み[…]
はじめは1年契約で事務職になったぽにょんさんですが、結局は2年間働いたそうです。
収入は正規の教員時代よりも減ってしまいましたが、精神的、体力的にはゆとりをもって働くことが出来たそうです。
ゆとりある生活を手に入れたぽにょんさんですが、再び教育に対する熱意が高まります。
やはり、子どもと関わる仕事がしたい…。
ぽにょんさんは、事務職をやめ、フリーランスとしての生活をスタートさせることを決意します!
フリーランス時代(現在)
4年間の社会人生活で貯金をため込んだぽにょんさん。(笑)
資金的には多少の余裕があったそうです。
とりあえずぽにょんさんは、
- 個人指導塾の塾講師
- イラストやYouTubeでの活動
の2足のわらじで進むことを決意します。
この生活を続けながら、今後を見極めようと考えたみたいです。
教員時代に「もっと授業をやりたかった」という思いが、この生活を後押ししたそうです。
塾講師も、あえて正社員は選択しなかったようです。
インターネットにも詳しいぽにょんさん。「自分の思いのままの教育活動を行いたい」という思いが強かったのだと思います。
現在はYouTubeを中心に教育活動を行い、ファンを増やしています。
さらに、イラストの技術を買われ、「学校」「教育機関」などからもイラストの仕事を受注しているそうです。
今後はさらに、活動を拡大していくことが目標のようです。
数年後には、大物になっているかもしれませんね!ぽにょんさんの活躍を心より応援しています!
転職をしての感想
教員を退職し、フリーランスの道を歩み始めたぽにょんさん。
教員を退職しての苦労や、よかったことなどを聞いてみました。
転職をしてよかったこと
学校で教員をしているだけでは知ることができなかったことを、たくさん知ることができた。
個別指導塾での教育活動は、新たな角度から仕事を行ったり、子どもたち一人一人によりそい、子どもたちがどのよな言葉がけで、どのように理解しているのかを見ることができる。
フリーランスとしても、さまざまな教育活動があることを実感することができた。
転職して苦労していること
フリーランスとして活動を始めて1年半。まだまだ収入が不安定な面がある。
現在はYouTubeで動画を配信し、多くの人に見てもらえるようになった喜びは感じる一方で、「もっと授業をしたかった」という未練は残っている。
私自身もそうですが、「いつかまた子ども達の前で授業をしたい」という人も少なくないのかもしれないですね。
転職してからの後悔は?
転職してからの後悔は全くないそうです。
ぽにょんさんに限らず、教員からの転職を後悔する人は本当に少ないです。
私がインタビューをしてきた方々もそうでしたし、私がランサーズで行った100人アンケートでも同様の結果が出ています。
一方で、教員を辞めることに恐怖心を覚える人はとても多いです。勇気をもって一歩を踏み出せるかが分かれ目と言えるでしょう。
転職を考える人へ、ぽにょんさんからのアドバイス
教育に関する仕事の転職を考えているなら、学校以外でも教育の仕事はたくさんあります。
自分がやりたい分野の仕事を探すと、いろいろ見つかるので、面白いと思います。
結果論でしか語れませんが、私は本当に転職をしてよかったので、転職を検討してみるのは十分にアリです。
私の経験上、学校の先生はコミュニケーション能力をはじめ、とても力がある人が多いので、ほとんどの仕事をしっかりとこなせると思います。
「教員しかやってないから…」と自信を無くさないでほしい。
とのことでした。「学校の先生は能力が高い」というのは、本当に同感です。
公立学校出身の先生方は、自分の学生時代を思い出してほしいのですが、おそらく優秀だった人がほとんどだと思います。
一方、学生時代にそれほど優秀でなかった友人も、民間で立派に働いています。
学生時代でくくるのは強引ですが、それほど学校の先生は民間・その他の社会で通用する力を持っている。
ということは、私もお伝えしたい点です。
まとめ
これで、ぽにょんさんの転職体験談の話を終わります。
とても楽しく、参考になる話をいただいたぽにょんさんに、今一度深く御礼を申し上げます。
みなさんにとっても、この話が参考になれば幸いです。
ただし
私やぽにょんさんのように、教員→フリーランスというのは、安定さにかけることからあまりオススメはしません…。
もちろん、フリーランスは魅力ある働き方ですので、興味がある方は私のTwitterまで気軽に相談していただければと思います。
魅力から大変さまで、具体的にお話をさせていただきます。
また、教員からの転職は「転職エージェント」や「転職サイト」の利用が必須です。
コネなどでの採用見込みがある方は別ですが、そうでない方はエージェントなどに必ず登録をしましょう。
無料のサービスですが、うまく使わないと転職失敗につながりますので、気をつけてくださいね!
詳しい利用の方法は以下の記事にまとめておきますので、参考にしてください。
教員の労働環境の異常性に耐えられない⋯今後数十年間、教員を続けられる気がしない⋯心身ともに限界を迎えている⋯。このページは、そんな方へ向けたページです。私自身も教員として11年間勤務しました。要領が良[…]
先生方の1年後は、明るく希望にあふれたものになることを、心よりお祈りしています!
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