- 毎日12時間以上の勤務
- 残業代は無し
- 責任やプレッシャーは大きい
現場では悲鳴をあげる先生方が続出しています。
この記事では「なぜ教員が辛い」と言われるのか?
その理由をアンケートやネットの意見を元に解説します。
教員は素晴らしい仕事ですし、私は今でも現役の先生方を尊敬しています。
しかし、教員の労働環境は悪化の一途をたどるばかり。
この記事では辛さの対処・解決法も併せて解説していきますので、参考になれば幸いです。
それでは解説スタートです。
教員が辛いと言われる5つの理由
まずは「教員が辛い」と言われる5つの理由を紹介させていただきます。
教師が大変だと言われる理由は、大きく下の5つです。
- 勤務時間が長すぎる
- 残業代が出ない
- 休日にも仕事をする必要がある
- クレーム・プレッシャーが大きい
- 職員間に摩擦がある
の5つです。それぞれ紹介していきます。
勤務時間が長すぎる
教員が辛い1つ目の理由は「勤務時間が長すぎる」からです。
教員が辛い理由の7割はここだと思っています。
以下はベネッセの調査の結果。
教員が学校にいる時間は平均12時間程度となっています。
文部科学省は、公立学校の教職員の所定勤務時間を、7時間45分と定めています。
そうですね。理想と現実の差は非常に大きいと言えるでしょう。(文科省が理想に近づけようと努力しているか疑問ですが)
さらに
休憩時間にも教員の働き方の大きな問題点があります。
労働基準法第34条では、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間が必要になっています。
しかし教員は、この休憩時間が実質無しとなっています。
教員からの転職者の多くは、この「昼休みの1時間」に感動します。
1時間、寝るも遊ぶも自由とは、教員には考えられないからです。
このような勤務時間が長すぎる問題が「先生は辛い」根幹となっているのでしょう。
(先生方、私のように身体を壊さないよう無理なさらないでくださいね。)
残業代が出ない
教員が辛い。2つ目の理由は「残業代が出ない」問題です。
教員に残業代が出ないのは「給特法」にて定められているためです。
給特法により、教員に時間外勤務が認められるのは、以下の4項目です。(超勤4項目)
- 校外実習などの実習による業務
- 修学旅行などの行事による業務
- 職員会議に関する業務
- 緊急の措置を必要とする業務
逆にいうと、これらの業務以外は教員が「自主的に」行っている仕事になるのです。
給特法では、時間外勤務手当を支給しない代わりに、教職調整額が支給されます。
しかしその額はなんと給料月額の4%となっています。
この根拠は、昭和41年の教員の1日の残業時間を元に計算されているためです。
このため教員は「定額働かせホーダイ」と揶揄されるまでになってしまったのです。
文科省には一刻も早く教員の働き方を是正してほしいです。
休日にも仕事がある
教員の辛い点。3つ目は「休日も仕事がある」ということです。
これは「休日に仕事をしておかないと、平日がまわらない」ということでもあります。
最も代表的な例が、中高の部活動です。
このツイートにある通り、部活動は本人だけでなく家族にも大きな負担を強いることになります。
私もスポーツは好きで、教員の時は部活動に力を入れていました。
しかし家族を犠牲にしていることは何より辛かったですね。
部活動の地域移行化が進む予定でしたが(予想通り?)難航しているようです。
子供・先生方双方にとって良い方向に進んでくれることを祈ります。
クレームやプレッシャーが大きい
教員が辛い。4つ目の理由は「クレームが多く、プレッシャーが大きい」ことです。
教員の仕事はますますサービス業のようになっています。もはや教育ではなく福祉を支えている一面さえあります。
保護者からの要求は多様化し、その反対に学校側の取り組みにはクレームがつきものです。
最近の代表的なニュースでは以下のようなものがありました。
規模の大小はあるにせよ、このような問題はほぼ全ての学校で起こっていることでしょう。
つまり、教員は学校で起こるささいなトラブルも、懇切丁寧に処理し、万全の対応をし続けなければならないのです。これは非常に神経を使います。
私が新任であった15年ほど前は、まだギリギリ教員としての尊厳が残されていた気がします。
(先生、うちの息子何かあればぶん殴ってください!みたいによく言われました)
その後「モンスターペアレント」という言葉が出てきて、教員に物申す風潮があっという間に広がりました。
日本は「一億総教育者社会」と言われます。各々が自分の教育方針を好き勝手にぶつける社会です。
必然、学校や教師への圧力は高まります。このような風潮が、徐々に緩和されてほしいですね。
職員間の摩擦がある
教員は辛い。最後の理由は「職員間での摩擦がある」ということです。
私自身は教員として働いた11年間、多くの先生方に支えてもらい、職員間の摩擦が辛いと感じることはありませんでした。
しかしネット上では、職員間の摩擦に苦しむ先生方は非常に多いようです。
ただでさえ過酷な教師という仕事。職員室の先生方が心の支えとなり、踏ん張れている方も多いでしょう。
しかし、本来支えてくれるはずの職員室の居心地が悪いと、一層「教員辛い」と感じてしまうことでしょう。
教員が辛い時の対処法
続いては「教員辛い」と感じた時の対処法を紹介させていただきます。
- 相談をする
- 仕事や働き方を見直す
- 休暇をとる
- 転職をする
の4つをそれぞれ解説していきます。
悩みを相談をする
「悩みを相談してみる」というのは最も手軽でおすすめができる方法です。相談相手は
- 家族や友人
- 同僚や先輩
- 専門家
などさまざまでしょう。このうち、誰に相談するかはそれぞれメリット・デメリットがあります。
1つ1つ詳しく解説していきますので、参考にしてください。
家族や友人に相談をする
まずは「家族や友人」への相談です。家族や友人は、自分の思いを吐き出しやすい相手です。
そのため、具体的な解決法というよりは、思いを発散したいときにより効果的でしょう。
また、あなたという人物を最もよく知っている人たちなので、あなたの性格に併せたアドバイスがほしい時にもおすすめの相談相手と言えるでしょう。
デメリットとしては「職場の雰囲気や教師の大変さ」を理解してもらいにくいところです。
どの職場にも、それぞれの空気感や文化があります。それらは口頭で説明しても、イマイチ伝わりにくいところがあります。
そのため、具体的な相談に乗ってもらいたい場合は、家族や友人への相談は向かない場合もあるでしょう。
同僚や先輩に相談をする
相談相手のおすすめ、続いては「職場の同僚や先輩」となります。
職場の人への相談の一番のメリットは、具体的な悩みやが共有しやすい点です。〇〇という子供・保護者の対応に困っている。
授業や学級経営の相談などは、職場の方への相談が一番でしょう。
普段のあなたの働き方を見て、アドバイスをくれる可能性も高いですし、実際のサポートに入ってくれる場合もあるでしょう。
このような点から、具体的な悩みがある場合は職場の方への相談は非常におすすめです。
デメリットとしては「悩みが職場内に広まる」恐れがあることです。
悩み次第ではありますが、相談する内容や人物は吟味して選ぶようにしましょう。
専門家に相談をする
質問相手のおすすめ。最後は「専門家」です。
そうです。現在は教員専門の相談員に気軽にアドバイスをもらうことができる時代なのです。
最も手軽なのが「ココナラ」です。
ココナラには、教員の相談を受け付けるプロが多数在籍しています。
ここでは特におすすめの方を紹介します。
イチオシは「美波なな」さんです。
元教員で、教員経験は10年以上あります。カウンセラーの資格ももち、ココナラではプラチナランク。実績も抜群です。
電話相談の料金は140円/分です。
今なら3000円分の無料のクーポンが利用できますので、興味がある人は下の記事を読んでみてください。
ココナラでは、さまざまなスキルを持つ人が仕事を受けっています。その中でも、私が調査した、教員向けに電話相談を募集している方々を紹介します。かずみん教授美波なな さんさわにい (私)の順に紹介をしていきます。最後には3000円[…]
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仕事や働き方を見直す
「教員辛い」と感じた時の対処法。2つ目は働き方を見直すことです。
仕事の効率化を図ることは大切ですが、それよりも「やったほうがいい」レベルの仕事を諦めることも大切だと考えています。
- 学級通信
- 掲示物
- 手作りの教材
など、削減可能な仕事はどんどん諦めることも大切だと思います。
学校の先生方はマジで素晴らしい方が多いので、これらの仕事を無償で行います。
本当に尊敬しか無いのですが、自身の体や人生を大切にすることも同様に大切です。
もしも「教員辛い」と悩んでいるのであれば、思い切って業務の削減を行ってみてはいかがでしょうか。
休暇をとる
教員辛いと感じた時の対処法。3つ目は「休暇をとる」です。
これは数日の有給休暇をとってもいいですし、病気休暇を取るのも手です。
病気休暇の基礎知識は以下の通り。
- ケガや病気で勤務できない時に取ることができる。
- 教育委員会に申請する書類1枚と病院の診断書1枚必要になる。
- 基本は最大90日取れる。
- 給料は満額(100%)支給される。
(上記は自治体により違いあり)
「教員辛い」と感じている方の多くは真面目に仕事をこなしている方です。それ自体は大変素晴らしですが、自分の身体を壊してしまっては何にもなりません。(私のように)
特に
- 呼吸
- 動悸
- 食事
- 睡眠
などに違和感や異常がある方は赤信号です。早急に休みを検討してみてもいいでしょう。
「休みは甘え」などと考えていると、取り返しがつかないことになりかねません。
自分の人生をよく考え、検討してみてください。
休暇についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
教員の仕事が大変すぎて、休職を検討している…。学校現場では、精神疾患だけでも毎年5,000人以上が休職をしています。文部科学省「令和2年度公立学校教職員の人事行政状況調査について(概要)今この記事を[…]
転職を検討する
教員が辛いと感じた時の対処法。最後は「転職を検討する」というものです。
特に「教員辞めようかな」と考えている人にとっては大切な選択肢になります。
そのような方はまず、気軽に転職活動をしてみて、良い仕事がないか探してみるとよいです。
そして、良い仕事があれば転職を本格的に考えればいいですし、教師以上の仕事が無いようであれば、教員を続ければいいだけです。
どちらの結論になっても、前向きに教員としての生活を送ることができるでしょう。
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【アンケート実施】教員が辛いと感じた出来事
最後に「教員辛い」と感じたエピソードを紹介します。
この内容はランサーズを利用して、独自にアンケート調査・集計をしたものです。(以下は実際の調査画像)
- 「教員辛い」アンケート①
- 大学卒業後、すぐに母校の高校に就職しました。
高校卒業時の先生とほとんどメンツは変わっていなかったので、人間関係に悩まされる事はありませんでしたが、月の残業時間が100時間をゆうに超えており、半年で心も身体も壊して適応障害となり退職しました。
生徒もいい子たちなので申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、朝から夜遅くまで、家に帰っても問題作成や答え合わせ、授業で配布するプリントを作るなどの仕事が苦ではない人にしかできないなと思いました。
(23歳 私立高校 男性)
- 「教員辛い」アンケート②
- 私が教員になったのは大学卒業してすぐで、本当は生物の教員になりたかったのですが、たまたま採用されたのが化学だったので、まず予習が大変でした。
分からない事があって授業で答えられないと、この先生はダメだという目でみられているような感じがしてつらかったです。
クラスによってはまったく話を聞かず内職をしたりおしゃべりをしたりする子がいて授業にならないときもありました。
テストをつくったり採点したりするのもサービス残業のような形で家でやらなければいけないので、毎日の予習とテスト作りなどで寝る時間もあまりありませんでした。
(30歳 私立その他 女性)
- 「教員辛い」アンケート③
- 当たり前の授業を行う点については、学生時代からも訓練を受けているので本場に入ってからも割りとスムーズに対応できます。
しかし厄介なのは、授業以外の時間です。そこ以外は上から言われたら雑務でもなんでもこなす新人サラリーマンと同じような扱いです。
生徒の頭髪検査、体育祭などの準備で大道具の用意するなど、心身とも疲労する内容が意外にも多いです。夏場だと庭の草むしりを生徒と一緒に行うことになります。
こういった作業でダメージがたまって足腰が痛む点はこの職場での大きなネックでした。あとは休日に部活の顧問として出勤するのが本当に嫌でした。自分の時間を作りにくい点でも辛いです。
(29歳 公立高校 男性)
- 「教員辛い」アンケート④
- 一番辛いことは,生徒の死に遭遇することです。親が可哀想でとても見ていられません。もちろん,亡くなった生徒の友達もです。
A子のお葬式で,A子の彼氏が私に抱きついて号泣してしまいました。A子の担任として,彼氏の担任として,何て言えばよかったのでしょう。
情けない話ですが,私は何にも言えませんでした。ただ,黙って,彼を抱きしめてやるしかなかったのです。若い人が死ぬのは,本当に周りの人達も辛い…。
(34歳 公立中学校 男性)
教員という仕事には、本当に千差万別の苦労があることがわかりますね…。
まとめ
これで教員辛い!と感じる原因。その対処法の紹介を終わります。
なかなか1人で教員の辛さを解決することは難しいです。
上手に相談したり、休んだり、他の人を頼ったり…。この記事が少しでも先生方の参考になれば幸いです。
よろしければ、下の記事も参考にしてくださいね!
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