なぜ優秀な教員は辞めるのか?5つの理由を元教員が解説

「教員はブラックな仕事だ」と言われ数年が経過しています。

多忙化は一向に改善せず、教員という仕事はますます不人気になっています。

(下は採用試験の倍率の推移)

教員の志願者の推移

公務員ということを考えると、この倍率の低下具合は恐ろしさを感じます。

そして今、優秀な教員が教育現場から次々に去っています。

私も(優秀ではありませんが)激務により体を壊し、教員を辞めざるを得ず民間企業に転職した一人です。

今回は、そんな私が、「なぜ優秀な教員が教育現場を辞めるのか」について解説をさせていただきます。

多くの教員が納得する5つの理由がそこにはありました。

自己紹介

さわにい」と申します。

元中学校理科の教員です。公立中学校で11年勤務しました。

過労で倒れ教員を退職。その後はIT企業に転職。

現在はフリーランスとして活動をしています。

 
よろしくお願いします!

教員は優秀なので転職が容易

教材制作

一つ目の理由は「教員は優秀なので転職が容易だから」です。

 
教員からの転職って簡単なの?

簡単」とは言えません。それは本人が希望する転職先によりますので…。

ですが、教員からの転職が難しくないのは事実です。

以下は私が「教員からの転職者100名」に行ったアンケート結果です。

教員からの転職は難しい?

「難しい」「やや難しい」と答えたのはたったの2割です。(詳細はこちら

「教員は民間では通用しない」と言われたりもしますが、ウワサで言われるほど、教員からの転職は難しくないのです。

 
それはなぜ?

教員は優秀な人が多いから」だと私は強く感じます。

教員は「民間で働く人より優秀」なことも多いのでしょう。

例えば

学校の先生は、学生時代は偏差値が60前後だった人が多いのではないでしょうか。

一方、日本人の半分は偏差値が50以下です。それらの方々も立派に働いています。

偏差値で括るのは乱暴ですが、教員は民間で十二分に通用するのです。

そして教員の中でも「優秀」となれば、これはもう相当優秀です。

一流企業に即座に転職できるとは言いませんが、その実績を元にさまざまな企業から声がかかるのも納得ではないでしょうか。

「教員は優秀なので転職が容易」これが優秀な教員が転職を行う1つ目の理由です。

 
さわにいも優秀な教員ではなかったけれど、十分民間では通用したね…。

転職エージェントを利用すれば、無料で一人一人に合わせた企業や業種を無料で紹介してくれます。

転職すべきかどうか」という相談から乗ってくれるので、これらを利用し転職をする人が多いのでしょう。

転職を検討している人に、よくある勘違いがあります。それは転職活動の順序です。

  • ✖️転職の決意を固める→転職活動を開始
  • ○転職活動を開始→転職の決意を固める

が正しい順序です。この基本を知らずに、人生を棒に振る人が多数います。

転職が気になる人は、すぐに転職エージェントに登録すべきなのです。

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相談してみて、教員よりも良い仕事が無ければ教員を続ければ良いのです。

(少なくとも労働環境が教員より悪い仕事は少ないです。)

その他のエージェントを詳しく知りたい方は、こちらの記事を見てください。

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教員の仕事がブラックすぎる

辞めたい

「優秀な教員が辞める」2つ目の理由。それは「教員の仕事がブラックすぎる」ということです。

これが最大の理由で間違い無いでしょう。

日本教育新聞」によると、教員の平均残業時間は96時間44分とされています。これは「過労死ライン」である月45時間の2倍以上です。

持ち帰り仕事をしている人も多いので、実際の残業時間はもはや見当がつきません。

さらに

教員には残業手当がつかないこともブラックさに拍車をかけます。

さらにさらに、教員は休日出勤も多いです。

  • 部活動
  • 行事
  • 組合や地域の活動

に顔を出さなければいけないことも多く、自分だけでなく家族の自由まで奪われてしまうのです。

ここで、私が行ったアンケートを見てみましょう

残業時間の変化
転職後の休日の変化

(詳細はこちら

教員から転職することで、ほとんどの方が残業時間が減り、休日が増えています。

裏を返せば、教員がいかに自分と家族の時間が奪われているかがわかります。

この仕事のブラックさが、優秀な教員が辞めていく最大の理由でしょう。

自分はともかく、家族を犠牲にはできない。と考える方も増えているようですね。

給与は悪くないが良くもない

悩み

理由の3つ目は「給与面」です。基本的には教員の給与は良く、恵まれていると私は考えます。

以下は民間の給与と教員の給与の比較です。

民間の給与平均↓

年代平均年収
20代348万円
30代444万円
40代510万円
50代613万円
doda

教員の給与平均①↓

年代平均年収
20代298.4万円
30代370.0万円
40代479.0万円
50代653.0万円
学校の先生の年収を解説より

教員の給与平均②↓

年代平均年収
20代377〜514万円
30代514〜683万円
40代676〜782万円
50代782〜898万円
平均年収.jpより

データにかなり差があるのですが、教員の給与が民間の平均よりも良いというのは間違いなさそうです。

しかし、教員の能力・仕事量に給与が見合うかと言われると疑問が出てしまうのです。

特に現在の若い世代は、給与の大きさよりも、勤務時間の少なさで仕事を選ぶ傾向が顕著です。

いい車や贅沢な仕事よりも、自分の時間や家族との時間を大切にしたいと考えているのでしょう。

「自分の時間」という観点で考えた時に、教員の給与がそれを犠牲にしてまで恵まれているかというと、「そうではない」という結論になるのでしょう。

また、教員からの転職は一時的には給与が下がりますが、その後実績を積むことで教員の給与を超えることも可能です。

私がインタビューした方の中でも「show」さんは2年目で年収700万に達していますし、「あっしー」さんも転職→フリーランスとなり年収600万を達成しています。

↓あっしーさんの収入の変化

 教員時代エンジニア
転職時代
フリーランス
時代
残業時間80時間/月40時間/月0時間/月
休日2日/週
(休日出勤有り)
2日/週
(休日出勤無し)
2日/週
(休日出勤無し)
年収約500万約300万600万
年齢23〜343536〜

ちなみに私も、教員時代と同じくらいの年収で、仕事時間は1日6時間(あとは家事2時間)といった感じです。

給与は変わりませんが、自由時間が増えたことで幸福度は高くなりました。

結論「教員の給与<自由時間」という考える人が多いということでしょう。

重要

教員の給与は恵まれていますが、「自給換算」するとかなり低いことにも注意です。

ヘタをすると、アルバイトと同じくらいの時給になってしまう人もいるのです。

もちろん原因は多すぎる残業時間です。

昇進(管理職)に希望がない

優秀な教員が辞めていく4つ目の理由。それは「管理職に魅力がない」ことです。

管理職には

  • 忙しい
  • 子どもとの距離が離れる
  • 責任が重くなる

というデメリットがあると考える人が多いのです。

現在管理職の方も、進んでなったというよりも「そろそろ自分か…。」という理由でなった人が多いでしょう。

通常「昇進」は嬉しいもので、目標の1つともなるものです。(特に男性は)

ですが教員の管理職は、あまりに魅力に乏しいのが現状なようです。

 
教頭先生はホントに大変そう…。

個人的には1つの学校に教頭先生が2人いるといいなと思います。

(むしろ教員全ての数を倍にしてほしい…。)

新たなチャレンジをしたい

教員以外の世界を知れる

優秀な教員が辞める理由。最後は「新たなチャレンジがしたい」です。

優秀であればあるほど、新たな仕事へのチャレンジ精神が湧いてくるものでしょう。

私自身は体調不良で仕方なく教員を辞めましたが、チャレンジ精神をもって積極的に新しい仕事へ挑戦する先生方には本当に頭が下がります。

人生は一度きりです。一度「やりたい」と思ったことがあれば、挑戦してみるのは素晴らしいことです。

それが上手くいっても、失敗しても、教員を辞めた方の大きな財産になるのでしょう。

本当に勝手なことを言えば、もう一度教員に戻ってもらい、その経験を子ども達に伝えてほしいくらいです。

まとめ

これで「優秀な教員が辞める5つの理由」の解説を終わります。

  1. 教員は優秀なので転職が容易
  2. 教員の仕事がブラックすぎる
  3. 給与は悪くないが良くもない
  4. 昇進(管理職)に希望がない
  5. 新たなチャレンジをしたい

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