この記事は
- 現在学級崩壊で悩んでいる
- 学級崩壊の原因は何?
- 学級崩壊の予兆は?
- 学級崩壊の立て直し方は?
という方向けに書かせていただきました。
元教員が、実体験や調査、アンケートをもとに書かせてもらいましたので、参考にしてください。
学級崩壊の原因は誰にある?アンケートの結果。
学級崩壊の原因は誰にあるのでしょうか。
心理的には、家庭は学校のせいにしたかったり、学校は家庭のせいにしたかったり…。なんてこともあるでしょう。
誰かのせいにしたところで、解決するわけではありませんし、生産性もありません。
とは言え、世の中の風潮や考え方は掴んでおきたいと思いましたので、アンケートを実施しました。
大人には100人に。
子どもには1000人以上にアンケートを行いました。その結果は以下の通りです。
「学級崩壊の原因・アンケート結果」
大人に聞いた意見
ランサーズを利用して、大人100人に学級崩壊に関するアンケートを行いました。
- 学生・保護者の時に学級崩壊を経験したことがありますか?
- 学級崩壊の原因はどちらにありますか?(学校or家庭)
- その他意見
という3つの質問を行いました。(以下は実際のアンケートの画像)
結果は以下の通り。
このような結果になりました。およそ4人に1人が学級崩壊を経験しているようです。
また、学級崩壊の原因は「どちらとも言えない」が圧倒的に多い一方で、「家庭が原因」がやや多かったです。
個人的には、冷静な意見かなと感じます。
子どもに聞いた意見
中学生にもアンケートを行いました。
私が運営するYouTubeチャンネルからアンケートを行いました。2000人弱が答えてくれました。
(詳細な結果はこちら)
グラフにするとこのようになります。
こちらも子どもの意見としては妥当だと感じます。
前述した通り、この結果が何かにすごく役立つわけではないかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。
学級崩壊の予兆とは?元教員の実体験
続いては学級崩壊の予兆を、教員歴11年の経験からお伝えさせていただきます。
私は公立中学校の理科教員でした。超大規模な学校崩壊も経験しています。
その経験をもとに解説をさせていただきます。
この予兆が全て正しいとは思いませんが、ベテランの先生方は賛成してくれる方も多いのではないかと思います。
予兆① 地域性
まずは地域性です。私の経験から言えば「学級崩壊しやすい地域性」というのが間違いなくあります。
学級崩壊が頻発する学校は、地域性として崩壊の予兆があると言えます。
この危険地域に、新採用の先生が赴任された場合は、すでに崩壊率80%はあると思います。
少し大袈裟かもしれませんが、そのくらい大変なのです。
(逆にいうと、新採用の先生に子どもたちがすんなりとついてきてくれる場合は、地域(学校にめぐまれた)とも言えます。)
千差万別なので一概には言えませんが、思い切った実践や、他では味わえない経験ができると思って、開き直って楽しく教育していくことが理想です。
また、早めに厳しい地域を経験することで大きく成長することもできるでしょう。
また、このような地域は先生方の結束力が非常に強いです。(とても1人で何とかできるレベルではないからです)
細かいことは気にせず、自分を追い詰めすぎず、俯瞰してみられれば良い経験になるでしょう。
(学校崩壊は本当に辛いので、なかなかそう考えられないかもしれませんが…。)
少し話がそれてしまいましたが、学級崩壊しやすい予兆①、「地域性」でした。
予兆② 過去の学級・カテゴリーで崩壊の経験がある
学級崩壊の予兆、2つ目は「過去の学級やカテゴリー(中学校であれば小学校で)崩壊の経験がある」ということです。
このような情報は、多くの場合学校内で共有される可能性が高いです。
この経験がある子どもたちは、再度崩壊する可能性がかなり高くなります。
ですが、進級や進学のタイミングでうまく切り替えることができれば、再崩壊を防ぐことも可能です。
過去に崩壊した原因や、カギとなった子どもの特性を理解しておくことが安定した学級づくりのポイントでしょう。
予兆③ 4月の段階で落ち着きがない
学級経営をする上で、4月はクラスの土台をつくる大切な期間です。
何度もクラス担任をもつと、それぞれの月や学期ごとのクラスの雰囲気や流れが掴めてきます。
しかし4月の段階で、子どもたちに落ち着きがなく、トラブルも多めで軌道に乗らないクラスや学年があります。
このような学級は、普段より意識的に教員が子どもたちに関わるようにしないと、崩れてしまいやすいです。
(中学校の場合は、おとなしすぎてエネルギーがない学級も寂しいのですが…。)
経験がものをいうかもしれませんが、過去の学級より「4月がうまくいかないな」と感じたら、早め早めに手を打つといいでしょう。
予兆④ 先生に対する信頼がない
予兆②の「過去に学級崩壊の経験がある」と少しかぶる内容です。
子どもや保護者が、過去に教員という人間を信頼できなくなるような経験を多くしていると、学級崩壊につながりやすいです。
学級全体にそのような風潮が蔓延している場合もありますし、特定の子どもがこのような気持ちを抱えていることもあります。
幸い、信頼を失った先生と、自分は別の人間です。
そのため、少しずつ信頼関係を作っていくことは可能です。
ですがマイナスからのスタートは変わりなく、崩壊しやすい危険性をはらんでいるといえるでしょう。
予兆⑤ 教室が汚い
予兆⑤は「教室が汚い」というものです。
そうですね。少し手間ですが、最も対応しやすい予兆かもしれません。
学級崩壊をしやすいクラスというのは、とにかく汚れやすいです。
学校の先生方であれば、「割れ窓理論」という言葉をご存知かもしれませんが、一度汚れてしまうと、ますます教室は汚れていきます。
本来であれば、教室は子どもたちの力でキレイに保ちたいところですが、それが上手にできないクラスもよくあります。
その際は、子どもたちへの指導と合わせて、教員も積極的に掃除・整理整頓をしていく必要があるでしょう。
荒れやすい学級を掃除していると、さまざまな発見があります。
- 机に書いてある愚痴
- 切り刻んだ消しゴムを投げた後
- 破れた掲示物
- 輪ゴムなどで遊んだ後
- 机の中に不用物が入っている
など気づくことがたくさんあります。積極的に掃除をしながら、荒れる芽をつぶしていきましょう。
予兆⑥ 私語がとまらない
予兆⑥は「私語が止まらない」です。これはもはや予兆というより、崩壊の入口かもしれません。
このような予兆があった場合は、基本的には一人で対応しようとせず、先輩の先生方に相談し、複数で対応しましょう。
中学校であれば、他の先生に入ってもらうこともできますし、小学校でも、様子を見てもらうことができるかもしれません。
対策は一概には言えません。
しかし、私語をしてしまう子どもとじっくりと話せると理想です。
努力を認めてあげたり、信頼関係を積み重ねる努力をしていきましょう。
注意事項は、一番やかましい子どもを放置しないことです。二番手、三番手とうるさい子どもがでてきて収集がつかなくなります。
真面目な子も「うるさい子どもを制御できない先生」と認識し、指導が入りにくくなります。
早め早めの対応がカギとなるでしょう。
予兆 ⑦どんよりとした空気がただよう
予兆の7つ目は「どんよりとした空気がただよう」です。
これは学級崩壊と同時に、いじめが発生している場合などにも似た雰囲気になることがあります。
特定の子どもだけが発言したり「自由に発言できない雰囲気がある」場合にこのような空気になります。
もちろんクラス全員が自由に発言や意見ができるような雰囲気をつくることは非常に難しいのですが、教員側としてはこのような空気を早めに察知できるとよいでしょう。
このような空気感には
- 学級役員などにクラスの様子を聞く
- 2者面談を行う
- アンケートを行う
などの手立てを早めに行うと、状況が把握しやすくなるかもしれません。
ここまで、学級崩壊の予兆を7つ紹介させていただきました。
多少中学教員よりの意見が多かったかもしれませんが、少しでも先生方の参考になれば幸いです。
学級崩壊の予防法
続いては、学級崩壊の代表的な予防法について解説をさせていただきます。
ここでは
- 親との信頼関係を高める
- 教室のルールを明確にする
- 教室に多くの先生が関わる
- 授業力を高める
の4つを紹介させていただきます。
予防法① 親との信頼関係を高める
1つ目は、「親との信頼関係を高める」ということです。
学級崩壊が起こる場合は、崩壊のカギになる子どもやグループがあるはずです。
つまり、カギとなる子どもを早期に発見(もしくは事前に情報を入手)し、その保護者と連携を強めておくのです。
トラブルが起きてから親と良い関係をつくろうとしても難しいケースが多いです。
4月の、まだ何もトラブルが起きていない段階で、カギとなる子どもの様子をよく観察し、いいところを保護者に伝えるのです。
「いいところを伝えるためだけに」電話をするのも良いと思います。
保護者にとって学校からの電話はイヤなものです。電話のほとんどは良くない報告だからです。
だからこそ、先手を打って「この先生は良いところも見てくれている」という印象を与えておくようにしましょう。
予防② 教室のルールを明確にする
4月の段階で、教室のルールを明確にし、それを極力崩さないようにするとよいでしょう。
このルールは、可能であれば子どもたちが自分達で決められると理想です。
何かトラブルがあった時にも「〇〇というルールをみんなで決めたよね?」という方向性で話ができるからです。
子どもたちが自主的にルールを決められるような環境でない場合は、あらかじめ先生がルールを出しておいてもよいと私は思います。
4月の初めの段階で「このルールはクラスのみんなが安心して気持ちよく生活するためのものだ」と伝え、クラスの決まりとするのです。
このようなルールは、先手を打っておくことが大切です。後手後手でルールを追加していっても効果は薄いでしょう。
4月にすべて完璧なルールをつくれるわけではありませんが、この点を意識しておくだけで、教員としての経験値も高まりやすくなると思います。
予防③ 教室に多くの先生が関わる
予防法の3つ目は「教室に多くの先生が関わる」というものです。
中学校は教科担任制であるため、自然と多くの先生が関わりやすく、教師間で連携をとっていれば崩壊を防ぎやすくなります。
(ある決まった先生から瓦解してしまう場合もありますが…。)
小学校は担任の先生が1つの教室で大半の時間を過ごすため、意識的に多くの先生が関われるような体制をつくっておくべきです。
幅広い年代、性別の先生に触れた方が、子どもたちにとってもプラスにはたらくことが多いと感じます。
特に 経験が浅い先生は、積極的に他の先生にクラスを見にきてもらえるように早い段階からお願いをしておくとよいでしょう。
予防④ 授業力を高める
予防法の4つ目は「授業力を高める」ということです。
「授業力」って何やねん。というご意見もあるかもしれません。私も厳密にはわかりません。
ここで言いたいことは、「楽しく分かりやす授業は学級崩壊の予防になる」ということです。
小学校の先生であれば、さまざまな教科で、さまざまな生徒が輝ける工夫をすることができるでしょう。
私は中学理科の教員でしたが、できる限り全ての生徒が輝けたり「わかった!」と思える部分を増やすようにしていました。
少なくとも、1時間の間「初めから終わりまで全くわからん」ということは無いように心がけていました。
先生方亜は授業のプロですので、さまざまな手立てをお持ちかと思います。
教員という仕事は死ぬほど忙しいので(比喩ではなく)無理はしていただきたくありません。
ですが、授業力アップは、学級崩壊予防だけでなく、さまざまな恩恵がある取り組みでしょう。
学級崩壊の立て直し方は?
最後に学級崩壊の立て直し方を紹介します。
一度崩壊をしてしまうと、立て直すのは本当に大変だと思います。(私が学校崩壊を経験した時も、当該学年の卒業を待つ。くらいしか無かったようにも感じています)
しかしながら、1ミリでも参考になればと考え、紹介させていただきます。
原因を特定する
初期段階であれば、崩壊の原因となる部分があるはずです。
その部分に効果的にメスを入れることができれば、立て直しは可能になるでしょう。
特定が難しい場合は、面談やアンケートを実施し、実態の把握に努めましょう。
Q-Uなどを利用している学校も多いかもしれません。
さまざまな方法やツールを活用し原因が特定できれば、解決に向けて大きく前進することができるでしょう。
他の先生に相談する
他の先生方に相談することも必須です。学級崩壊は全ての先生・全てのクラスに起こりうるものです。
状況を正直に話し、協力やアドバイスをもらうことで解決に向かう可能性があります。
もちろん
相談は早ければ早いほどいいです。
気になることがあったり、〇〇が言うことを聞きません…。
など、小さなことから報告をしていきましょう。
通常、これらの懸念は対策しなければ被害が大きくなるだけだからです。
コミュニケーションを改善する
学級崩壊をする場合は、子どもたちとコミュニケーションが上手にとれていない場合も多いでしょう。
子どもたちとの関係性を改善することは簡単では無いと思います。(むしろ非常に難しいと思います)
ですが、何か改善をするための打ち手があれば、トライしてみる価値は十分にあります。
手を打ちやすい子どもからでも、アプローチをしてみるとよいでしょう。
ルールを再確認する
学級開きの時に決めたルールを再確認しましょう。
4月に決めたルールに立ち返り、もう一度気持ち新たに生活を始めることが理想です。
もちろんそれが難しい場合もあるでしょう。そのような場合は、子どもの意見を聞き、柔軟に変更をするのもありでしょう。
もちろん子どもに流されすぎてもいけないので、教員側としての気持ちもはっきりと伝えましょう。
記録を残す
学級崩壊が起こってしまった場合は、気になったことをメモとしてしっかりと残しておくことを習慣化しましょう。
きっちりと記録をとっておかないと、さまざまな話し合いの時に説得力を持った話をすることができません。
学級崩壊が起こってしまうと、トラブルが多発するはずです。
- 日時
- 具体的な発言内容
- 具体的な行動・人数
などを記録しておけば、子どもも自分も守りやすくなるでしょう。
毎日クタクタになってしまうと思いますが、記録に残すことは忘れないでください。
あきらめる
個人的な意見なので、聞き流してください。人事をつくしたら、半分諦めるのもアリだと思ってしまいます。
子どもたちも大変ですが、先生たちの体も大切です。あまり自分を追い詰めすぎず何とか今年度をやりすごすのもいいのではないでしょうか。
教員として10年以上働いて実感しましたが、全ての子どもを助けることはできません。
子どもたちのために身を粉にして働くことは尊いことです。
ですが、先生方自身の人生も同様に大切ですので、上手にバランスをとる心は忘れないでいただきたいです。
まとめ
これで「学級崩壊の原因・予防・立て直し方」の解説を終わります。
この記事ではさまざまな調査を行い、元教員の観点を踏まえ執筆を行いました。
しかし学級崩壊の原因と対処法はさまざまです。できればプロに相談するのが解決の近道かもしれません。
ココナラの相談も、ぜひご利用くださいね。
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